1. 「呼吸で肩がこる」ってどういうこと?
「肩こりの原因は、呼吸かもしれません」
そう言われて驚いたことはありませんか?
実はこれ、よくある話です。
特に多いのが、“肩で呼吸してしまっている”状態。
この状態が続くと、知らず知らずのうちに首や肩の筋肉に負担がかかり、慢性的な肩こりにつながっていくのです。

2. 本来の呼吸は「横隔膜」が主役
人間の呼吸は、横隔膜という筋肉が主に働いています。
息を吸うと横隔膜が下がり、お腹がふくらみます。
吐くと横隔膜が戻り、内臓が元の位置に戻ります。
ところが――
- 姿勢が崩れて横隔膜が動きにくい
- 呼吸が浅くなって胸だけで吸っている
- 無意識にお腹を固めてしまっている
こういった状態になると、呼吸に必要な動きが横隔膜だけではまかないきれず、**肩や首の筋肉が“補助的に働く”**ようになります。
3. 肩で呼吸してしまうとどうなる?
呼吸に使われやすい“補助呼吸筋”は以下の通りです:
- 僧帽筋(そうぼうきん)
- 胸鎖乳突筋(きょうさにゅうとつきん)
- 肩甲挙筋(けんこうきょきん)
- 斜角筋(しゃかくきん)
これらは、本来は「動作」や「一時的な深呼吸」に使われる筋肉。
それが、日常的な呼吸で四六時中働かされていると、
肩や首に慢性的な張り・緊張・こりが出てくるのは当然です。
4. 「呼吸が浅い人」の身体に起きていること
- 姿勢が崩れ、肋骨が動かなくなっている
- お腹や骨盤底の感覚が抜けている
- 呼吸のたびに肩が上下する
- 無意識に力が入っていて、脱力できない
こうした状態では、筋肉をいくらほぐしても、「呼吸のクセ」が元に戻してしまいます。
つまり、呼吸パターンを変えないと、肩こりは“戻りやすい体質”のままなんです。
5. 呼吸を整えると肩がラクになる理由
呼吸が整うと、肩こりにも良い影響が出ます。たとえば:
- 横隔膜がよく動くと、肋骨と胸郭が自然と開く
- 肩甲骨の位置が安定し、首の緊張が抜けやすくなる
- 呼吸に連動して背骨が柔らかく動くようになる
- お腹や骨盤の感覚が戻り、“姿勢が支えられる”ようになる
つまり、呼吸を変えることで、肩に“力を入れなくても大丈夫な身体”が作られていくのです。
6. 肩こり対策は「整える呼吸」から始めてみよう
まずはこんな呼吸法を3分だけ試してみてください:
- 椅子に浅く座って背骨を立てる
- 4秒かけてゆっくり鼻から吸う(肩が上がらないように)
- 6〜8秒かけて長くゆっくり吐く(お腹をゆるめて)
- 呼吸のたびに“肩が動かない感覚”を意識する
- 3分間、静かに繰り返すだけ
呼吸の質が変わってくると、肩まわりの“力みグセ”にも変化が現れます。
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