片麻痺と腰痛・膝痛、関係あるってホント?理学療法士が分かりやすく解説

松本市・安曇野市エリアで、脳卒中後の片麻痺により腰痛や膝痛を抱える高齢の日本人男性が、理学療法士の支援を受けながら慎重に立ち上がろうとしている場面。身体のバランスや負担の偏りを調整する整体ケアの一場面

「最近、腰や膝まで痛くなってきた気がする…」
脳卒中後の片麻痺がある方から、そんな声をいただくことがあります。

実はこのような不調、麻痺とは“別の問題”ではなく、つながっている可能性があるのです。
片麻痺によって体のバランスが崩れ、健側への負担が増すことで、腰や膝に二次的なトラブルが起こることは、決して珍しくありません。

「もう麻痺は仕方ないと諦めていたけど、最近は腰の痛みのほうがツライ」という方が少なくありません。
今回は、そんな方に向けて――
片麻痺がもたらす身体の偏りと、それが腰痛・膝痛にどう影響するのか
そして今からできる対策を、脳血管疾患・整形外科疾患いずれのリハビリ経験も豊富な理学療法士が、専門的な視点から丁寧に解説していきます。

目次

1. 片麻痺と“身体の偏り”が引き起こす連鎖

麻痺側をかばうことで、体の重心はズレていく

脳卒中後の片麻痺がある方は、無意識のうちに健側(麻痺のない側)へ体重をかけるクセがついていきます。たとえば立ち上がるとき、歩くとき、イスに座っているとき――少しずつバランスは偏り、やがて**「身体の軸のズレ」**が定着してしまいます。

その結果、健側の腰や膝に過剰な負担がかかり、痛みや違和感が出現することは少なくありません。とくに松本市や安曇野市のように、車移動が多く歩行距離が短くなりがちな地域では、こうしたアンバランスが目立ちやすくなります。

座っている時間にも、実は負担がかかっている

意外と見落とされがちなのが「座位の時間の影響」です。片麻痺による左右非対称な座り方が習慣化すると、骨盤が傾いたまま固まってしまい、腰部や膝関節に持続的なストレスがかかります。

つまり、「歩いてないから負担が少ないはず」と思っていても、日常生活の中で着実にゆがみと痛みは蓄積されているのです。

2. 「腰や膝が痛い」その正体は、“二次的な不調”

松本市・安曇野市で、脳卒中後の片麻痺を抱える高齢の日本人男性が、理学療法士とともに姿勢や歩行バランスのチェックを受けている様子。腰痛・膝痛の原因となる身体の偏りに対する専門的なサポートの場面

痛みの原因は、「関節そのもの」じゃない?

整形外科で「腰椎すべり症」「変形性膝関節症」と診断された方の中にも、「片麻痺の影響で歩き方が偏っていた」という背景があるケースは少なくありません。
実はこうした痛みは、麻痺による“使い方の偏り”が原因で発生する“二次的な機能障害”のことも多いのです。

関節自体の構造的な問題よりも、筋肉のバランスや、体の支え方・動かし方のクセによって引き起こされている可能性が高い。
だからこそ、「リハビリは終わったから」「麻痺が治らないから」と諦めてしまうのは早すぎます。

「麻痺のせいで腰や膝が痛む」という現実

片麻痺では、どうしても“かばい動作”が増えてしまうため、歩行のたびに同じ筋肉や関節に過度な負担がかかりやすくなります。
たとえば、松本市・安曇野市のように坂道や段差のある地域では、それだけでさらに筋骨格へのストレスは増大します。

そうした負担の蓄積が、痛みとして身体に現れるのです。
つまり、「麻痺とは別の問題」ではなく、麻痺が引き金となって起きている身体の悲鳴ともいえるでしょう。

3. 腰や膝を守る「身体の使い方」を取り戻すには?

キーワードは「左右バランス」と「軸の再獲得」

片麻痺があると、どうしても非麻痺側ばかりで体重を支えるクセがつきます。
この偏りが続くことで、骨盤の傾きや背骨のねじれ、関節の片寄った使い方が定着してしまうのです。

まず大切なのは、軸を“真ん中”に戻すこと。たとえば座位では、左右の坐骨に均等に体重を乗せる。立位では、両足で床をとらえて「ふんばりの感覚」を取り戻す。
こうした“左右バランス”の再教育が、腰や膝の負担を減らす第一歩になります。

「使える部分」を動かすことも、立派なリハビリ

「麻痺側は動かないから…」とあきらめてしまうと、非麻痺側の使い方も硬くなりやすくなります。
ですが、ほんの少しでも麻痺側に“重さを乗せる”練習や、“動かそうとする意識”は、身体に良い変化をもたらします。

逆に、非麻痺側だけを過剰に頼る動作が続くと、腰や膝への負担は加速度的に増していく一方です。
「今、使える範囲でいい」――そう思って、日常動作に少しずつ“左右差を埋める動き”を取り入れていきましょう。

4. 自分だけで抱え込まないために――専門的な視点が支えになる

二次的な痛みは“放置”しないことがカギ

腰痛や膝痛が出てくると、「これはもう年齢のせいかも」「動かすと悪化しそう」と不安になり、さらに動かさなくなってしまう方が多くいらっしゃいます。
ですが、“動かさないこと”が逆に関節や筋肉を硬くし、痛みを助長する悪循環に陥ることも少なくありません。

特に片麻痺がある方の場合、動作のアンバランスによって体に生じる「代償動作」や「誤った負荷のかかり方」は、自覚しにくいのが特徴です。
こうした“見えにくい要因”を、専門的な視点で整理・分析し、整えることが非常に重要です。

痛みの「根本」にアプローチする整体・リハビリの力

整体りびるどでは、麻痺の有無に関わらず、姿勢や体の使い方を丁寧に観察しながら、負担の少ない動き方へと導いていきます。
また、皮膚感覚・支持面・呼吸の質などにも着目し、“ただの筋力強化”ではない感覚統合的な施術をご提供しています。

「ただ痛い場所を揉む」「ひたすら鍛える」だけではなく、本来のバランスや感覚を“思い出す”ことが、最も大切なケアだと考えています。

5.「これから」をあきらめないために

今の身体にも、まだできることがある

麻痺があることで、生活にいくつもの制限がかかってしまう現実は、きっと簡単に割り切れるものではありません。
それでも、今の身体のままで「少しでも快適に」「少しでもラクに」過ごす工夫は、きっと見つかります。

腰痛や膝痛が出てくると、つい「もう限界かもしれない」と気持ちが沈んでしまうこともあるでしょう。
でも、それは“あなたの身体がこれ以上無理しないで”と教えてくれているサインかもしれません。

あなたの身体は、まだ変われる

痛みや動かしにくさを、「ただの老化」や「仕方ないこと」として放っておくのではなく、
今できることに目を向けて、身体をいたわるケアを始めてみませんか?

私たちは、一人ひとりの身体の状態と向き合いながら、“これから”の暮らしに寄り添うサポートを大切にしています。

お悩みがあれば、ぜひ整体りびるどにご相談下さい。

整体どのブログでは、

・疾患についての情報
・身体の構造や仕組み
・その他健康に関すること

など、あなたの「健康を見つめ直すヒント」になるような記事を、これからも書いていきます。

是非また、あなたの健康づくりのヒントを探しに来てください。

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追従

この記事を書いた人

松本市にある武内整形外科クリニックに勤務する理学療法士。
産まれも育ちも長野県で、地元が大好きな40歳。

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