1. 脊柱管狭窄症って、聞いたことありますか?
「歩くと足がしびれる」「立っていると痛くなるけど、座るとラク」
――そんな症状があると、病院で「脊柱管狭窄症」と診断されることがあります。
言葉は難しく聞こえますが、実は加齢とともに多くの人に起こりうる背骨の変化です。
主に50代以降に多く、70代ではかなりの割合の方がMRIで狭窄所見があるともいわれます。
2. 背骨の中には「神経の通り道」がある
私たちの背骨(脊椎)は、一本の棒のように見えて、実は椎骨(ついこつ)という骨が連なった構造です。
その内部には「脊柱管(せきちゅうかん)」という神経の通り道があり、脳からつながる大事な神経が通っています。
この通り道が、骨や靭帯、椎間板の変性などによって徐々に狭くなっていくことを「脊柱管狭窄症」と呼びます。
3. 症状の特徴:間欠性跛行(かんけつせいはこう)
脊柱管狭窄症の最大の特徴は、「間欠性跛行(かんけつせいはこう)」です。
これは、歩いていると足がしびれたり、痛くなったりして歩けなくなるけれど、
少し休むとまた歩けるようになるという症状です。
なぜこんなことが起きるのか?
それは、歩行中に背すじが伸びる(腰が反る)ことで、神経の圧迫が強まるためです。
逆に、前かがみになると脊柱管が少し広がるため、神経の圧迫が和らぎ、楽になります。
間欠性跛行について詳しく知りたい方はこちら
4. 原因は「老化」だけじゃない?
「年だから仕方ない」と言われることもありますが、実は脊柱管の狭さ自体が症状の原因ではない場合もあります。
MRIで強い狭窄があっても、症状がまったくない人もたくさんいるのです。
つまり、
- 姿勢や動き方
- 神経の興奮状態
- 筋膜や関節の可動性
など、“神経の通り道を狭くする条件”が重なったときに痛みが出やすいといえます。
5. 身体の構造から考える「改善のヒント」
私たちの身体は、部分だけで動いているわけではありません。
たとえば――
- 胸椎がかたくなれば、腰椎が反る
- 股関節が動かなければ、腰を使いすぎる
- 腹圧が弱ければ、姿勢が不安定になる
こうした連鎖の結果として、脊柱管にストレスが集中してしまうことがあります。
逆に言えば、
- 胸郭の動き
- 骨盤まわりの安定
- 足裏の支持感覚
などを整えることで、結果的に神経のストレスを減らせるケースも多いのです。
6. 整形外科と整体のちがいって?
病院では、まずはMRIやレントゲン検査で構造をチェックし、
薬やブロック注射などで神経の炎症や痛みを抑える治療が行われます。
一方、整体などでは**「なぜそこに負担がかかっていたのか?」という視点**で、
身体全体のバランスや動きのクセを整えていきます。
どちらも役割が違うため、併用することが望ましいとも言われています。
7. まとめ:年齢のせいにしすぎないで
脊柱管狭窄症は、確かに加齢とともに増えるものです。
でも、それが「痛みのすべての原因」ではありません。
- 神経
- 筋肉
- 姿勢
- 動き方
これらが複雑に関係しているからこそ、“感じ方”や“症状”には個人差があるのです。
「整える」ことの本当の意味は、ただ痛みをなくすことではなく、
身体が本来もっている“ラクな動き方”を思い出させてあげることかもしれませんね。
最後までお読み頂きありがとうございました。
次回の記事もよろしくお願いします。
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