1. 一度は聞いたことある「間欠性跛行」って?
「脊柱管狭窄症と診断されたんですが、“間欠性跛行”って言われて…」
病院でそう説明されて、ちょっと困惑したことはありませんか?
“跛行(はこう)”とは、足を引きずったり、正常に歩けない状態のこと。
“間欠性”は、「途切れ途切れに現れる」という意味です。
つまり、間欠性跛行=途切れ途切れに足をうまく動かせなくなる歩行障害。
症状としては、「歩いていると足がしびれる」「痛くなる」「だるくなる」などが特徴で、
不思議なことに、少し休めばまた歩けるようになるという現象です。

2. よくある感覚として、こんなことありませんか?
- 10分ほど歩くと、足がしびれて立ち止まってしまう
- 少し前かがみで休むと、また歩けるようになる
- 立っているだけでもつらくて、椅子に座るとラクになる
- 長時間の買い物や旅行が億劫になってきた
こうした違和感は、「年だから仕方ない」では片付けられない大事なサインかもしれません。
3. 原因は「神経の圧迫」だけじゃない?
一般的には、脊柱管狭窄症によって神経の通り道が狭くなり、神経が圧迫されることが原因と言われます。
特に歩いて腰が反ると、神経の圧迫が強くなる → 足がつらくなるという流れ。
でも実際には――
- MRIで狭窄があっても無症状の人がいる
- 神経の“圧迫”よりも、“滑走障害”が関係している場合もある
- 胸椎や股関節、足裏の感覚がズレていると、圧迫が強まりやすい
など、単なる“神経圧迫説”だけでは説明しきれないことが多いのです。

4. 「歩くと悪化、休むと回復」のメカニズム
歩く=腰が反る=脊柱管が狭くなる
→ 神経が引っ張られる、または押しつぶされる
→ 足のしびれ・痛み・脱力感が出る
ここまではイメージしやすいですね。
でもポイントは、「前かがみで休むと症状が消える」ということ。
これには、
- 脊柱管が広がることで神経のストレスが軽減する
- 体幹の筋活動が一時的に休まる
- 神経に流れる血流が回復する
などの要因が重なっています。
神経は**“締めつけ”だけでなく“引っぱられすぎ”にも弱い**ため、
無理に歩き続けることで機能が落ち、休むことでリセットされるのです。
5. 実は“感覚”と“構造”のズレがカギになることも
NSFM的な視点から見ると、
**「歩いているときに、身体がどう感じて、どう反応しているか」**が大きなポイントです。
- 胸椎が硬いと、腰椎が過剰に反って脊柱管を狭めやすい
- 股関節が動かないと、代わりに腰で動こうとする
- 足裏の接地感覚がズレると、立っているだけでもバランスを崩す
つまり、“構造の連鎖”と“感覚のズレ”が重なることで、神経が耐えきれない負担を受けているという見方もできるのです。
6. 「間欠性跛行」が教えてくれる身体からのサイン
この症状は、ある意味とても“親切”です。
歩けなくなる前に、「今は負担が強すぎますよ」と身体が教えてくれている。
そして、ただ筋力を鍛えるだけではなく、
- 胸郭の自由度
- 腹圧と重心バランス
- 足裏からの感覚入力
などを見直すことで、自然と歩きやすさが戻る方も多くいます。
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