【脳卒中】麻痺側だけじゃなく非麻痺側のコンディションを整えることも大切。

ども。
GOROです。

今回の記事はどちらかというと医療従事者向け。

一般の方にとってはマニアックで面白くない記事かもしれません(笑)

脳卒中の患者さんに対するリハビリや機能訓練をするうえで参考にしていただきたい意見です。

脳卒中の方に対する一般的なリハビリでは多くの場合

麻痺側への介入では
随意性を向上させ、
少しでも病前に近い動きを

非麻痺側への介入では
筋力を今まで以上にちゃんとつけて
少しでも麻痺側の機能を補えるように

そんな風にリハビリや機能訓練を行います。

もちろん
全ての介入方法が
この限りではありませんが、

これがオーソドックスな考え方のひとつ

でも、機能の向上を考えた場合…本当にそれがベストな機能訓練・リハビリなんでしょうか?

そんな前置きからの今回のテーマは

非麻痺側のコンディションを整えることの重要性


そんな話をしてみようかなと思います。

良ければお付き合いください。

目次

『健側』と『非麻痺側』

いわゆる麻痺していない側の呼び方。

『健側』
『非麻痺側』

皆さんはどちらの言葉を使いますか?

ちょっとした言い方の違いなんですが、自分は基本的に

『健側』

という呼び方はせず

『非麻痺側』

という言葉を使います。

なぜか。

その理由は
『非麻痺側』が『健側』ではないから。

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リハビリに関わる仕事をされている方はご存じだと思いますが…
脳の指令を手足の先まで伝えるためには、

脳からの指令は電気信号となって脊髄の中にある皮質脊髄路という経路を通っていきます。

この経路は延髄の下部で
錐体交差という交差ために

障害された脳とは
逆の半身に麻痺が生じると言われています。

一方でこの錐体交差、
全てが丸々左右に交差するわけではありません。

一般的には
約80%が交差
残りの20%はそのままなんです。

ちなみに
交差せずに下降してきた経路は

  1. そのまま同側を外側皮質脊髄路として下降するもの(10%)
  2. 同側の前皮質脊髄路として下降するもの(10%)

の二つに分かれます。

前皮質脊髄路
頸部や体幹の制御を担うことになるので、
実際経路を変えずに
随意筋へ指令を届けるのは
約10%ということになります。

それはつまり
例えば右に重度の麻痺が生じていたとしたら、
左にもその1/10程度の麻痺が生じている
可能性が高い
ということ。

そしてもうひとつ。

麻痺側の機能が落ちているということはその分

非麻痺側が普段以上に使用される

ということになります。

運動麻痺があるということは

いわば半身に重りをぶら下げながら生活しているようなもの。

こうした影響は皆さんが思っている以上に、非麻痺側への負担として日々積み重なっています。

筋肉や関節への過度なストレスは知らず知らずのうちに

筋収縮の質を低下させ、
関節運動の際の
関節適合性も崩れやすくなります。

結果、
過剰に筋肉を収縮させやすい、
上手く力が抜けない、
動きが硬くなる、
といったような現象に繋がりやすくなるんです。

こういった理由から
『非麻痺側』は健常な状態と比べると機能が低下した状態である場合が多いため、『健側』とは言い難いわけです。

…専門職の方以外にはちょっと内容がマニアックすぎるかもしれませんね、すいません(苦笑)

ちょっとまとめておきましょう。

『健側』と『非麻痺側』

非麻痺側は、伝導路の仕組みから
少なからず機能低下を呈している可能性が高い(麻痺側の10%程度)。

非麻痺側は普段から過度な負担がかかりやすくなるため、
健常な時と比較すると様々なコンディションが崩れやすい

したがって
言葉の意味としては
『健側』ではなく『非麻痺側』が適切。

『非麻痺側』をどう捉えるか

『健側』と呼ぶのか
『非麻痺側』と呼ぶのか…

それ自体はまぁ
どちらでもいいんです。

ただ、
認識として

『健側』
と呼んでいる人が


『非麻痺側』を
麻痺をしていない側なんだから力をつければ普通に動かせるはず!

という捉え方をしていたとしたらそれは、あまり適切とは言えません。

よく、

麻痺側が上手く使えない分
非麻痺側をガンガン筋トレして
力をつけなきゃ!


といった意見を聞きます。

もちろん非麻痺側の出力を確保することは重要です。

ただ、

非麻痺側のコンディション

という部分にはある程度目を向けるべきなんです。

機能を上げるために非麻痺側をガンガン使っていたはずなのに

思うように出力が上がらない、
なんか上手く動かせていない。

結果として麻痺側の使用にもそういった影響が波及し、

リハビリや生活の質が上がらない…

そういった患者さんが本当に沢山いらっしゃいます。

要するに非麻痺側に対しては

筋力をつける事ばかりに目を向けず
ちゃんとケアしながら
コンディションを整えたうえで
筋トレを含めた介入を行うべき

ということです。

非麻痺側にはどんな介入をするべきか

ではそういった視点を持って介入する場合、非麻痺側に対してどういったことをすればいいのか。

理学療法士や作業療法士でも
意外とあまりしっかりとやらない方も多いんですが…

非麻痺側に対する
関節可動域訓練やリラクゼーション。

これ、本当に大事です。

リハビリなんだからリラクゼーションなんかしてないでちゃんと機能訓練をしないと!

こういった考えの方も多いとは思いますが…

実際、リハビリを行なう場面で数分程度でも非麻痺側に関節可動域いっぱいに可動域運動を行ったり、適度にリラクゼーション的なアプローチを行なってから麻痺側への介入や動作練習を行なってみると…

明らかにリハビリ効果が高くなったなと感じる場面をこれまでに何度も経験しました。

麻痺がある場合は、麻痺側だけでなく非麻痺側のコンディションに関しても意識を向けるようにしましょう。

おわりに

今回は
非麻痺側のコンディションを整えることの重要性

について簡単にお話させて頂きました。

理学療法士や作業療法士はあくまで機能訓練を行なう職種。
リラクゼーションなんかはPT・OTじゃなくても出来る…

そういった意見もあるでしょう。

ただ

専門的な視点があるからこそできるリラクゼーション

というものもあります。

もちろん
漫然と筋肉をほぐしたり、
むやみやたらに関節を動かすということではありません。

その介入の先にちゃんと目的があって、

その後のリハビリの質を高められるという目算があるのであれば、行う意味は十分にあると思います。

ということで今回はおしまい。

最後までお読みいただき
ありがとうございました。

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この記事を書いた人

ごく一般的な30代の理学療法士。熱しやすく冷めやすいタイプ。令和3年からブログを開始。1年以内の収益化を目指し試行錯誤中。「ブログがオワコンだなんて絶対認めない!」まずは1年、ちゃんとブログを続ける事が目標。

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