肩甲骨と肩こりの深い関係――「コリの出発点」は背中かもしれない?

1. 肩こりなのに「背中の骨」が関係あるって本当?

「肩こりがつらくて…」と相談すると、
「肩甲骨が原因かもしれませんね」と言われたことはありませんか?

肩甲骨は、普段あまり意識されない場所ですが、肩の動きや安定性を支える土台として、非常に大切な役割を果たしています。
実はこの肩甲骨の“働き方”が、慢性的な肩こりに大きく関係していることがあるのです。


2. 肩甲骨は“浮いている骨”だからこそ要注意

肩甲骨は、肋骨の上に浮かぶように位置し、筋肉だけで支えられている珍しい骨です。
背中の中で自由に滑るように動くことが理想ですが――

  • 猫背などで動きが悪くなる
  • 背骨の柔軟性が失われる
  • デスクワークで肩甲骨が“固まる”

といった状態になると、肩甲骨が背中に貼りついてしまい、正常な動きを失ってしまいます。

その結果、肩の筋肉ばかりが緊張し、肩こりが慢性化しやすくなるのです。


3. 肩甲骨がうまく使えていないと、どんな肩こりが起きる?

具体的には、こんな肩こりにつながります:

  • 肩を上げると首や肩の前側が痛い
  • つねに肩が前に巻き込んでいる
  • 呼吸が浅く、肩で呼吸している感じがする
  • ストレッチをしてもすぐ元に戻る

これは、肩甲骨が本来の動きや役割を果たせていないサイン
肩甲骨が“働けていない”分、肩や首の筋肉が代わりにがんばり続けているのです。


4. 肩甲骨を「動かす」のではなく「使えるようにする」

最近では「肩甲骨はがし」などが話題ですが、
単に“動かす”だけでは不十分なこともあります。

重要なのは、

  • 肩甲骨がどんなタイミングで動いているか
  • 周囲の筋肉とどう連動しているか
  • 支持面や呼吸とどうつながっているか

といった**“感覚の再構築”をともなった動きの再学習**。
肩甲骨が「使える」ようになると、肩こりは自然と軽くなる方が多いです。


5. 胸椎や肋骨と一緒に整えると効果倍増

肩甲骨は、単独で動くわけではありません。
胸椎(背骨の中部)や肋骨の動きと連携して初めて、スムーズに働けます。

  • 胸椎が固まると、肩甲骨は滑りにくくなる
  • 呼吸が浅いと、肋骨の動きが狭くなり肩がすくむ
  • 骨盤や足元が不安定だと、肩甲骨が“固定”されてしまう

つまり、肩甲骨を整えるには、“背面全体”の協調性を見直す必要があるのです。


6. 肩甲骨を整えると、呼吸も姿勢も変わってくる

肩甲骨の位置と動きが整ってくると――

  • 胸が開きやすくなって呼吸が深くなる
  • 頭が前に出にくくなり、姿勢が自然に整う
  • 腕の動きが軽くなり、首の緊張がゆるむ

というふうに、肩こりだけでなく“身体全体の快適さ”が取り戻されていきます。

「肩こりだから肩だけ」ではなく、“背中から整える”という視点が、長年のコリに新しい風を吹き込んでくれるかもしれません。

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この記事を書いた人

松本市にある武内整形外科クリニックに勤務する理学療法士。
産まれも育ちも長野県で、地元が大好きな40歳。

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