どうも。 整体りびるど代表、理学療法士のテラサワです。
「腰痛や膝の痛み、肩の動かしづらさ…やっぱり運動したほうがいいんでしょうか?」
松本市や安曇野市にお住まいの方からも、そんなご相談をよくいただきます。
答えは、「疾患によります」。
実は、症状によって運動療法の“効果の出やすさ”は異なり、国際的なガイドラインでも疾患ごとに推奨度が明確に示されています。
この記事では、整形外科でよく見られる代表的な8つの疾患について、信頼できる一次情報をもとに「運動療法はどのくらい効果が期待できるのか?」を分かりやすく解説していきます。
もし、あなたやご家族の症状に該当するものがあれば、ぜひ参考にしてみてくださいね。
1. 頚椎椎間板症・頚椎ヘルニア
推奨度:中等度〜高(症状に応じて運動療法を推奨)
首から肩・腕にかけてのしびれや痛みを伴う頚椎椎間板症や頚椎ヘルニアでは、症状が軽度〜中等度であれば保存療法(運動・姿勢調整など)で改善が期待できます。
特に、姿勢の再教育や頚部の安定化トレーニングは、神経根の圧迫軽減に効果的とされています。
出典:NEJM Clinical Practice(2015)
2. 肩関節周囲炎(いわゆる五十肩)
推奨度:高(運動療法が第一選択)
肩の動きが制限される「五十肩」では、関節可動域訓練や肩甲帯の筋機能再教育が極めて有効です。
実際、急性期を過ぎたら積極的に運動を取り入れたほうが予後良好という報告が多くあります。
出典:AAOS Clinical Practice Guideline(2020)
3. 腰椎椎間板ヘルニア
推奨度:中等度〜高(保存療法として有効)
急性期の強い痛みを過ぎた後、体幹筋の安定化訓練や神経の滑走を促すエクササイズが再発予防に役立ちます。
また、コクランレビューでは「運動療法は自然経過に比べ、若干ながら痛みと機能に改善をもたらす」とされています。
4. 腰椎椎間板症(ヘルニアなし)
推奨度:高(ほぼすべてのガイドラインで推奨)
いわゆる「慢性腰痛」の場合、動作パターンの修正や脊柱支持筋の強化によって長期的な改善が期待できます。
NICE(英国国立医療技術評価機構)は、腰痛管理において第一選択として運動を位置づけています。
5. 脊柱管狭窄症
推奨度:中等度(手術適応以外は保存療法を考慮)
神経性間欠性跛行(歩くと脚がしびれる)が主症状の脊柱管狭窄症では、姿勢コントロールや腰椎屈曲位での歩行訓練などの保存療法が効果を示すことがあります。
ただし、重度の圧迫例や運動耐性が乏しい場合は手術が選択されます。
出典:ACP Clinical Guidelines(2017)
6. 変形性股関節症
推奨度:高(エビデンスが豊富)
股関節周囲筋の強化と股関節可動性の改善は、進行予防・痛みの緩和・手術延期に大きく寄与します。
OARSI(国際変形性関節症学会)は、運動を「最も推奨される非薬物療法」として位置づけています。
7. 変形性膝関節症
推奨度:最も高い(第一選択治療)
大腿四頭筋の筋力強化、関節可動域の維持、正しい歩行指導など、膝OAに対する運動療法は世界的に最も推奨されている介入手段です。
AAOSやOARSIをはじめ、複数のガイドラインで「強く推奨」と記されています。
出典:AAOS Guidelines、OARSI Guidelines
8. まとめ:疾患によって“運動の意味”は違う
こうやって改めて見てみると、運動、あるいは運動療法は多くの整形疾患において高い推奨度が示されています。 とりわけ変形性の膝関節症や股関節症などは、運動が非常に大切。
ついつい湿布や注射、痛み止めの薬に頼りがちですが、 改善を目指すのであれば運動の重要性をしっかりと受け止める必要があります。
「動かした方がいい」と一口に言っても、
- 動かす目的
- どこをどう動かすのか
- どんな症状がある時に避けたほうがいいのか
…これらはすべて疾患ごとに異なります。
だからこそ、「◯◯体操がいい」といった一般論よりも、 あなたの症状や身体の状態に合わせた運動の選択が大切です。
症状に合わせて正しい判断ができれば、運動療法は非常に心強い味方になります。
整体りびるどでは、松本市・安曇野市を中心に、理学療法士による個別の評価とケアを行っています。
当院では運動療法と徒手療法を組み合わせながらひとりひとりに合ったアプローチを行うため、運動療法の質にもこだわっています。
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「自分の症状は運動していいのか?」と迷ったときは、お気軽にご相談ください。
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