立ち座り運動の効果について掘り下げてみる

ども。

武内整形外科クリニックの理学療法士、テラサワです。

今回は

立ち座り運動の効果

について、少し掘り下げてお話しようと思います。

目次

立ち座り運動とは

改めて説明する必要もないかも知れませんが…

椅子に座った状態から立ったり座ったりする動作、

それが立ち上がり運動です。

一見単純な動作ではありますが

座面の高さを変えたり、動作の速さを変えたり

条件設定を変えることで様々なバリエーションの運動にアレンジすることができるため、疾患や身体機能に合わせた運動としてよくリハビリに用いられます。

立ち座り運動の有用性についての医学的な根拠

立ち座りの運動は足腰を使うから

足の筋力をつけるためにとても大事!

…という文言は

様々な健康雑誌、健康番組でも取り上げられているので今更感がありますよね。

実際、立ち座りの運動が身体に良い影響を与えるといった趣旨のを研究した論文は世の中に数えきれないほど存在しているのでググれば一瞬で見つかると思います。

そんな一部をちょっとだけ紹介

椅子からの立ち上がり動作を用いた訓練効果の検討

老人保健施設に入所中の女性20例について、起立練習を行なった群と行なわなかった群に分け2か月間調査を行い効果を比較したところ、起立練習を行なった群は膝を伸ばす筋肉の筋力と6分間歩行のパフォーマンスが優位に増加した。

J-STAGEトップ/理学療法科学/14 巻 (1999) 4 号

ちょっと被験者数が少ない研究ではありますが…要するに、高齢な女性でも立ち上がりの練習を2か月間しっかり行なった人たちは膝周りの筋力がつき、歩行機能が改善した、ということですね。

骨粗しょう症と運動療法

骨粗しょう症に起因する骨折は転倒が原因となる事が多い。骨粗しょう症には運動療法が効果的とされているが、下肢筋力が弱い高齢者は椅子とテーブルを使って安全に起立練習を行なうことが有効である。

J-STAGEトップ/The Japanese Journal of Rehabi …/56 巻 (2019) 5 号/書誌

高齢者に多い骨粗しょう症。骨がもろくなる病気で、ちょっとした転倒が骨折を招き寝たきりになってしまうリスクも低くはありません。

骨粗しょう症は何より転倒予防に努める事が大切で、そのために起立練習を行なうことは非常に有効であるということです。

色んな研究がある中で最も多く言われている立ち座り練習の効果は

  • 膝周りの筋肉がつく
  • 歩行の機能が向上する
  • 体力がつく

このあたりでしょうか。

膝周りの筋肉が衰えてきた

歩くのが大変になってきた

体力が落ちてきた

このような悩みを抱える方にとって

立ち座り練習は医学的根拠に基づいた理想的な運動のひとつと言えます。

立ち座り練習は具体的に何が鍛えられるの?

立ち座り練習は、単純な動作に見えて実に様々な機能を高めてくれます。

  • 足腰の筋力
  • 全身的な持久力や心肺機能
  • バランス能力
  • 股関節や体幹の柔軟性維持

このような機能はすべて、立ち上がりという一連の動作の中で必要なもの。

反復的に動作を行うことで、自然とこういった機能が向上するんですね。

立ち上がり動作練習の効果を高めるために

立ち上がり動作練習の効果を最大限に高めるためには

  • 自分に合った環境設定のもとで行うこと
  • 出来るだけゆっくりと動作を行うこと
  • 座った姿勢、立った姿勢をしっかり意識して行うこと
  • 足の裏をしっかり床に付けた状態で行うこと

これらが非常に重要です。

惰性で反復しても十分な効果は得られません。

自分に合った環境設定のもとで行うこと

身体機能や疾患によって、適切な環境を整えることが大切です。

体力や筋力が不十分な方は椅子の座面を高くする運動の回数を少なめにする手すりなど把持物に掴まって行なう

バランス能力が低下している方は足の幅を広げて運動をするお辞儀をしながら重心移動を丁寧に行う、など。

やや大変だけどそれほど無理することなく行なえる

そんな負荷環境で行えると運動効果も高まります。

出来るだけゆっくりと動作を行う

勢いをつけて立ち座りを行うと、必要な筋力を十分に使わずに動作が行えてしまいます。

特に、手すりなどの把持物に掴まった手でグッと勢いをつけて動作を行うとそれほど足や体幹の力を使うことなく立ち上がれるため、動作としては簡単に行える分、運動としての効果は薄れてしまいます。

立ち上がり動作は出来るだけゆっくりと行なうことで、しっかりと筋肉を働かせることができます。

座る時はついつい最後に力を抜きがちで、椅子にドスンと座ってしまいたくなりますが…

最初から最後までゆっくりと、を心掛けましょう。

座った姿勢、立った姿勢をしっかり意識して行うこと

とにかく立ち座りの動作を繰り返そうとして、しっかりと背筋を伸ばした立位姿勢になる前に座る動作に入ってしまう方がいますが…しっかりと背筋を伸ばした立位姿勢になったのを確認してから着座動作に移りましょう。

腰周りや背中周りの筋肉は、

しっかりと背筋を伸ばした姿勢を経由することで初めて、必要な筋収縮を促すことができます

足の裏をしっかり床に付けた状態で行うこと

立ち座りの動作は、足の裏をしっかりと床に付けた状態で行ないましょう。

しっかりついているに決まってるじゃん!

と思う方、多いと思いますが…

しっかりと足の裏をつけているように見えて、つま先重心でかかとに体重がかかっていなかったり、かかと重心でつま先にかかっていなかったり足裏の内側が浮いて外側にだけ体重がかかっている方は案外沢山います。

ちょっとしたことですが、こういった癖がある方は歩き方や立位姿勢に変な癖がついている可能性が。

若い頃はなんでもなくても、歳を重ねるにつれて膝や腰が痛くなる場合もあるので

足の裏の付き方は意識するようにしましょう。

おわりに

日常生活の中でも行う頻度が多い、立ち座りの動作。

それゆえに、ついつい軽視しがちですが…

身体機能維持・向上のためには非常な有効な運動のひとつです。

身体を動かさなきゃいけないのは分かっているけど中々運動をする意欲がわかない、という方、

1日の内で10回、20回でもいいので習慣化してみませんか?

時間にすればほんの数分です。

そんな運動だけで健康な身体が維持できると考えれば、続けて損はないハズ。

是非、ご検討ください。

※基礎疾患や身体の痛み等がある方は方法、負荷量、等、専門知識のある方に相談しながら行なうようにしましょう。

では、今回はこの辺で。

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この記事を書いた人

松本市にある武内整形外科クリニックに勤務する理学療法士。
産まれも育ちも長野県で、地元が大好きな39歳。
臨床年数に胡坐をかくことなく、日々知識と技術のアップデートに邁進しています。
健康に関する情報やリハビリに関する情報、勤務する武内クリニックに関する情報などをブログで不定期に発信していきます。

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