どうも。
整体りびるど代表、理学療法士のテラサワです。
このブログでは、18年以上の臨床経験と独自の「NeuroSense Flow Method(NSFM)」という理論をもとに、
身体の本質、感覚のズレ、治療法、セルフケアまで詳しく解説しています。
今回のテーマは「頸椎椎間板症」。
首や肩の不調の原因としてとても多い疾患ですが、聞きなれない方も多いかもしれません。
この記事では、一般的な医学情報に加え、NSFM視点のアプローチやセルフケアのヒントもお伝えします。
首の痛みやしびれが気になる方は、ぜひ最後までお読みください。
1. 頸椎椎間板症とは?
頸椎椎間板症(けいついついかんばんしょう)は、
首の骨(頸椎)の間にあるクッション(椎間板)が加齢や日常の負担で弱くなり、
痛みやしびれ、力が入りにくいといった症状を引き起こす病気です。
🔍 椎間板ってどんなもの?
椎間板は、ゼリー状の髄核(ずいかく)と、
その周囲を囲む硬い線維輪(せんいりん)でできています。
若いときは水分をたっぷり含んで弾力がありますが、
年齢とともに水分が減少し、ヒビが入りやすくなります。
結果、椎間板がつぶれたり飛び出したり(ヘルニア)して、
近くの神経を圧迫するのです。
特に負担がかかりやすいのは、C5/6(5番目と6番目)やC6/7(6番目と7番目)の椎間板です。
📊 どんな人に多いの?
40~60代に多く、30代後半から変性が進行することが多いとされています。
最近では、スマホやパソコンによる「前かがみ習慣」が、
若い世代の発症を増やしているという報告もあります。
重労働やスポーツ歴がある人は、男性の発症率がやや高い傾向があります。
⚠ どうやって診断するの?
診断は、症状・体の状態・画像検査(MRIやCT)の組み合わせで行います。
主な症状:
- 首や肩の痛み、腕や手のしびれ
- 手の感覚低下、握力低下
- 重症化すると歩行障害、排尿・排便の障害
重要なのは、画像所見だけに頼らないこと。
NSFMでは、こうした「感覚のズレ」を見極め、神経系と身体の連携を整えることが重要だと考えます。
2. 頸椎と椎間板の役割
頸椎は7つの小さな骨が積み重なり、頭を支え、上下左右に動かす重要な構造です。
その間の椎間板は、衝撃を吸収し、スムーズな動きを助けるクッションの役割を果たします。
年齢や姿勢の崩れでこのクッションが弱ると、
局所の問題だけでなく全身のバランスが崩れることがあります。
NSFMでは「局所」だけに注目せず、全身のテンセグリティ(張力と圧縮のバランス)を整えるアプローチをとります。
3. 症状の特徴と注意点
- 上を向いたときに強くなる首の痛み
- 肩、腕、指先までのしびれ
- 箸を持つ、ボタンを留めるといった細かい動作のしづらさ
- 進行すると歩行や排尿の障害
NSFMの考え方では、こうした症状の背後には、
構造の問題だけでなく「身体感覚の乱れ」や「動きの偏り」も潜んでいると捉えます。
だからこそ、単なる痛みの治療ではなく、感覚を再教育する視点が大切です。
4. よくある疑問に答えます
Q1. 自然に治る?
軽症の場合、休養や姿勢改善で症状が一時的に和らぐことがあります。
ただし、傷んだ椎間板そのものは自然には元に戻りません。
Q2. 手術は必要?
多くのケースでは、薬、リハビリ、生活改善などの保存療法で改善します。
重度の神経障害(排尿障害、歩行困難など)がある場合のみ手術が検討されます。
Q3. 整体やリハビリは有効?
はい、正しい範囲で行えばとても有効です。
NSFMでは、首単体ではなく、胸郭、骨盤、足裏感覚など全身の協調を整えることを重視します。
自己流の体操は悪化の原因になることがあるため、専門家の指導を受けることをおすすめします。
Q4. 手術はどんな場合に必要?
保存療法で改善しない場合や、排尿障害・歩行障害が出ている場合は、
医師と相談の上、神経圧迫を除去する手術が検討されます。
Q5. 自然治癒することはありますか?
軽症なら一時的に症状が軽減することもありますが、
傷んだ椎間板そのものは自然には回復しません。
だからこそ、日常の姿勢・動作・感覚を整えることが大切です。
Q6. 再発を防ぐためのポイントは?
NSFMでは、局所の痛みを取るだけでなく、
全身のバランス、テンセグリティ、感覚の再統合を重視します。
「感覚を育てるセルフケア」を続けることが、再発予防の鍵になります。
5. 実際の臨床経験から
例:50代男性、長年のデスクワークで首と肩に慢性的な負担。
肩甲骨や胸郭の硬さも影響し、首だけのケアでは改善せず。
NSFMを用いた全身アプローチ(姿勢指導、胸郭ストレッチ、体幹トレーニング)を実施し、
2か月後には痛み・しびれが大幅に改善しました。
局所ではなく全体のバランスと感覚を整える重要性を改めて実感したケースです。
6. 日常生活で避けたい悪化要因
- 長時間の前かがみ姿勢(スマホ・PC)
→ 首に体重の4〜6倍の負担(Hansraj, 2014)
✅ 30分に1回、首を回したり姿勢を整える - 高すぎる枕や不自然な寝姿勢
→ 睡眠中の首への負担増(Gordon et al., 2010)
✅ 首の自然なS字カーブを保てる枕を選ぶ - 急な首の動き・衝撃
→ 椎間板・神経へのダメージ(Panzer et al., 2008)
✅ 無理な動き・強い衝撃は避ける
7. 首を守るセルフケアのポイント
- 姿勢の改善(O’Sullivan et al., 2002)
✅ 鏡で耳・肩・骨盤が一直線か確認 - 軽いストレッチ(Ylinen et al., 2003)
✅ 首を左右にゆっくり倒す、回す(痛みのない範囲) - 肩甲骨・胸の柔軟性アップ(Huang et al., 2013)
✅ 両手を後ろで組んで胸を広げる、肩甲骨を軽く寄せる体操
NSFMでは、こうしたセルフケア中に「どんな感覚を伴って動くか」を特に大事にしています。
8. 感覚を取り戻すことが改善の鍵
慢性痛では、脳内の体のイメージ(ボディマップ)が乱れ、
「動かさない・感じない」状態が続くと治りにくくなります(Flor et al., 1997)。
だからこそ:
✅ 今どこが伸びているかを感じる
✅ 呼吸と動きを連動させる
✅ 痛みのない範囲で自然に動かす
こうした感覚の再学習が、症状改善や再発予防の鍵になります。
9. 関連記事・参考リンク
10. おわりに
症状が気になる方は、我慢せず早めに専門家に相談してください。
整体りびるどでは、NSFMを基にした個別相談・施術を行っています。
首の痛みやしびれでお悩みの方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。
今回も最後までお読みいただきありがとうございました。
心身の不調に関する相談なんかもお気軽にどうぞ。
🌟 この記事は臨床経験18年の理学療法士が執筆し、日本整形外科学会などの公的情報を参照しています。
コメント