腰を守るのは足裏感覚?――重心と支持の再学習

1. 腰痛と足裏、実はつながっている?

腰痛の原因は腰にあると思われがちですが、実は足裏の感覚が腰の負担を左右していることが多いのです。

立つ・歩く・踏ん張るといった日常動作では、足裏が地面からの情報をキャッチし、全身のバランスを微調整しています。
この感覚が鈍ると、重心のズレや代償動作が生まれ、結果として腰に負担が集中しやすくなります。


2. 足裏の3点支持って何?

足裏の理想的な荷重は、以下の3点で支えることです。

  • 母趾球(親指の付け根)
  • 小趾球(小指の付け根)
  • 踵(かかと中央部)

この3点で均等に立つと、足裏のアーチ構造が機能し、全身のバランスが安定します。
逆に、外側荷重や前後の偏りがあると、腰椎の過剰な反りや丸まり、骨盤の傾きにつながります。


3. “踏ん張りすぎ”が腰に負担をかける理由

腰痛持ちの方によく見られるのが、足の外側に力を入れすぎたり、踵に乗りすぎたりする「踏ん張りすぎパターン」。

これにより、本来足裏で吸収されるはずの衝撃が、股関節や腰に直接伝わります。
また、足指が浮いていたり、足底の感覚が鈍っていたりすると、姿勢全体が不安定になり、腰が頑張りすぎてしまいます。


4. 重心のズレが引き起こす代償動作

重心が前方にズレると、腰を反って後ろに引き込む動作が起こりやすくなり、腰椎に圧迫ストレスがかかります。

逆に、重心が後方にズレると、骨盤が後傾し、腰が丸まって椎間板への圧力が高まります。

重心を正しく乗せるには、足裏の3点支持をベースに、股関節・骨盤・背骨が連動する感覚を再学習する必要があります。


5. 簡単にできる立位感覚リセットワーク

  • ワーク①:足裏スキャン
    裸足で立ち、母趾球・小趾球・踵の3点を意識。重心の偏りを観察する。
  • ワーク②:重心シフト練習
    その場で前後・左右に重心を移動させ、真ん中に戻った感覚をつかむ。
  • ワーク③:膝軽伸展+お腹引き上げ
    膝を軽く伸ばし、お腹をふわっと持ち上げる感覚で腰の負担を減らす。

これらを1日数分行うだけでも、腰の支え感が変わってきます。


6. 足裏感覚が整うと、なぜ腰がラクになる?

足裏がしっかり地面を捉えると、地面からの反力を効率よく使えるようになり、腰の筋肉が過剰に働かなくて済みます。

また、重心の位置が安定することで、体幹全体がリラックスしやすくなり、呼吸や腹圧にも良い影響を与えます。

つまり、腰単独ではなく、全身のつながりの中で腰を守れるようになるのです。


7. 腰を守るのは全身の感覚の積み重ね

腰痛を治す・予防するためには、「腰を支える感覚」を育てることが大切です。

足裏の感覚、重心の移動、体幹の安定、それらすべてが連動して初めて、腰はラクに動けます。

筋力不足や柔軟性不足だけではなく、まずは“感じ方”の再学習。
これが、身体を整え直すための本当のスタートラインです。

整体どのブログでは、

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・その他健康に関すること

など、あなたの「健康を見つめ直すヒント」になるような記事を、これからも書いていきます。

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この記事を書いた人

松本市にある武内整形外科クリニックに勤務する理学療法士。
産まれも育ちも長野県で、地元が大好きな40歳。

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