ども。
武内整形外科クリニックの理学療法士、テラサワです。
今回は
『膝痛に悩む人が鍛えるべき筋肉』
について。
膝痛に対する対処法については以前の記事でお話させて頂きました。
その記事の最後でも少しばかり触れましたが・・・
膝痛を何とかしたいと考えた場合、筋トレは必須です。
筋肉量が少なくなって膝の周りをしっかり守れなくなってくると、加齢とともに膝が痛くなるリスクはどんどん高まってしまうので
出来ればこれらの筋肉は普段から意識して使うようにしましょう。
大腿四頭筋
膝の筋力=大腿四頭筋の筋力
と言われるほど、膝の力に最も関係するのがこの大腿四頭筋です。
太ももの前にある筋肉ですね。
大腿四頭筋は、膝を伸ばす時に力を発揮する筋肉になります。
歩いている時に膝折れしたり膝周りがカクカクするようなヒトは、この大腿四頭筋の力が弱くなっているかもしれません。
ちなみに、膝が痛いヒトや膝の力が弱いヒトは
膝を伸ばす時の最後のひと伸ばしが出来ない
というケースが非常に多いです。
だいたいは伸ばせる、でもまっすぐには伸ばせない、みたいな感じ。
こういった方は特に膝の内側にある、内側広筋が弱っている可能性が高いんです。
内側広筋の筋力が低下すると、膝がまっすぐに伸ばせなくなってきます。
で、膝をまっすぐ伸ばすというコトをせずに生活していると、膝関節への負担が徐々に蓄積していき
膝の関節は変形します。
いわゆる変形性膝関節症というやつですね。
内側広筋の筋力低下で膝が伸ばせないだけであれば、筋力をつければ問題ありません。
でも、関節が変形して伸ばせなくなってしまえば、関節構造自体もう運動ではどうにもできません。
そうなる前に、しっかりと膝を曲げ伸ばししましょう。
ハムストリングス
ハムストリングスというのは
太ももの裏にある
- 大腿二頭筋
- 半膜様筋
- 半膜様筋
の総称。
主に膝を曲げる時に働く筋肉です。
ちなみにハムストリングという言葉、
『もも肉のひも』
という原意があるそうで。
ハムを吊るすためにこれらの筋腱が使われていたそう。
膝の運動性というのは、前述した大腿四頭筋とこのハムストリングスが協調的に働くことで発揮されます。
ちなみに出力的なバランスとしては
大腿四頭筋:ハムストリングス=10:7~9
くらい。
姿勢や動作によって適切なバランスというのは変わるんですが、ハムストリングスはいつも大腿四頭筋の8割前後の力で働いているというコト。
つまり、
膝の適切な運動性を保つためには、いつもこれくらいのパワーバランスで両者が機能する必要があるんで
筋トレをするなら両者ともちゃんとトレーニングしないといけません。
膝の筋肉をつけるのが大事だと聞いて、大腿四頭筋の筋トレを一生懸命にやってる方はけっこうたくさんいるんですが、ハムストリングスは疎かになりがち。
ハムストリングスも鍛えましょう。
股関節内転筋群
股関節内転というのは、足を内側に閉じる運動のことです。
この内転運動で働く筋肉は上記の通り。
けっこういくつもあるんですが・・・専門職とかでなければ股関節内転筋群という括りでざっくり覚えておいてもらえばいいと思います。
膝が痛いヒトって、この内転筋群がちゃんと働いていないヒトがすごく多い。
ほとんどのヒトは内転筋が硬くなっています。
ん?硬くなっているなら筋肉をつけるより伸ばして柔らかくした方がいいんじゃないの?
・・・とかって思いがちですが、それだけじゃダメ。
もちろん柔軟性を確保するのも非常に重要なんですが、伸ばすだけだと能動的な収縮力は獲得できません。
ストレッチと筋トレをしっかり行なって、伸張性と収縮性両方を得ることで初めて、筋肉は本来の働きをすることができるんです。
中殿筋
中殿筋というのは、お尻の横にある筋肉。
股関節の外転運動で働く筋肉です。
この中殿筋、サイズ的にはそれほど大きくないんですが、立った時や歩いた時の骨盤の固定性・安定性を維持するためにすごく頑張ってくれています。
膝関節には直接関係ないじゃん?・・・て思うかもですが、骨盤や股関節がグラグラしていると、それだけ膝関節にも負担がかかりやすくなります。
歩く時に何だかふらふらして膝も痛い、なんてヒトは中殿筋にしっかりと筋力をつけると、痛みが軽減するかもしれません。
おわりに
今回は、膝を曲げ伸ばしする筋肉に加えて、股関節を閉じたり開いたりする筋肉も膝の痛みには関係しているんだよ、というお話をさせて頂きました。
もちろん、今回紹介した筋肉だけ鍛えておけばいいという話ではありません。
そして、膝の痛みには筋肉以外にも様々な因子が関係しています。
ただ、膝の痛みを軽減したいと考えるならばこれらの筋肉に優先的に筋力をつけていって間違いはないんじゃないかと思います。
参考にして頂ければ嬉しいです。
ではまた。