もう何か月も病院にリハビリに通っているのに良くならない・・・なんでなの?
痛みを取るために足しげく病院に通い、理学療法士のリハビリを受けているのに一向に症状が改善せずモヤモヤしているという方、実はけっこういらっしゃるんじゃないでしょうか?数回リハビリを受ければ痛みなんてすぐなくなると思っていたのに中々先が見えないと心も苦しくなってしまいます。しかもリハビリには期限があるので、もしかしたら痛みが良くならなくてもリハビリが打ち切られてしまうかもしれない・・・そんな風に考えると不安は募るばかりですよね。
だいぶ久々となる(たまに読んでくださっていた皆さんごめんなさい)今回の記事は、そんな悩みを抱えている皆さんに読んでもらいたい記事になります。どうしてリハビリを受けているのに良くならないのか?このまま続けていて果たして良くなるのか?あなたの頭の靄を晴らす答えが、もしかしたらこの記事の中にあるかもしれません。良かったら最後までお付き合いください。
痛みが取れないのには大概の場合、明確な理由が存在する
何度もリハビリをやっているのに痛みが取れないのであれば、もちろん何かしらの原因があるはずです。その原因をうやむやにしながらダラダラとリハビリを続けても、結局症状は改善せず期限が来てリハビリを打ち切られてしまうのがオチ。まずはその原因をしっかりと炙り出していきましょう。
その具体的な理由は主にこの3点。
- 担当理学療法士の治療レベルや相性の影響
- そもそも手術適応レベルの症状
- リハビリはやってもらうものだという思考
基本的に症状が改善に向かわない場合、これらのいずれかもしくは複数がその理由になります。以下ではそれぞれの理由について説明しながら、
担当理学療法士の治療レベルや相性の影響
思っていても口には出しにくいこと。それは「自分を担当している理学療法士のレベルが低いからじゃないの?」という点ではないでしょうか?同じくらいの時期にリハビリを始めたあの人はみるみる症状が改善してあっと言う間に卒業してしまった・・・私もあの人のリハビリを受けていれば今頃は・・・なんて思っている人は案外多いハズ。
これは正直言って、ある程度は影響します。それはもちろん経験値であったり、相性であったり、疾患に対するセラピストの得意不得意であったり。一概に経験年数が長いから必ずしも最大限の成果を出せるという訳ではないという点は押さえておきましょう。
こういったことを踏まえたうえで、どうしても他のセラピストの施術を受けてみたいという想いがあるのであれば、それは担当に伝えるというのもアリだと思います。賛否あるかとは思いますが、担当セラピストの施術に対する信頼が揺らいでしまうと本来は効果的であるリハビリも最大限の効力を発揮できません。もちろん、伝え方は多少気を遣った方が後々の関係性を壊さずに済むとは思いますが(笑)
テラサワの個人的な意見としては、もし仮に患者さんが自分のリハビリに満足感を得られていない場合は一度他のPTのリハビリを受けてみてもらいたいと思っています。そりゃ悔しいし、申し訳なさも重々痛感しますが、そこから症状改善に向けての突破口が開かれるなら、それが一番ですから。とはいえ、そんな風に思われないよういつも必死に勉強はしていますが(苦笑)
そもそも手術適応レベルの症状
リハビリは、どんな症状も改善させる魔法の治療法ではありません。治せるものは治せるし、治せないものは治せないんです。明らかに手術適応レベルであり、これはリハビリでどうこうするのが難しいという病態は残念ながらリハビリで症状を改善させることは難しいと言わざるを得ません。
ただ、そういった疾患でもリハビリが処方されることはあります。目的が症状の進行予防であったり、一時的な除痛であったり、場合によっては精神的なケアの一環として運動を行うため処方が出されることもあるでしょう。リハビリを受けると一時的に血流が改善し症状が緩和するケースが多々あり、もしかしたら自分の症状が良くなるかもしれないと希望を抱くことも。
ただ、リハビリを行う前に担当のセラピストと「ゴールを明確にして共有」することは非常に重要です。患者さん本人は完治するかもと思ってリハビリをしているのに、担当セラピストは一時的な痛みのケアと進行予防を目的にリハビリを行っていたとしたら、最後に悲しい思いをするのは・・・リハビリを行っている本人です。
明確なゴールの共有はリハビリ内容の理解度にも大きく影響しますし、結果としてリハビリ効果も変わってきます。仮に完治を目指すことが難しい病態だったとしても、より最善に近い方向性を相談しながら二人三脚でリハビリを行うことができれば、場合によっては想像以上の治療効果を生み出せるかもしれません。これはほんとに夢物語ではなく真面目な話です。
あと、よく勘違いしている人がいるんですが・・・医師がレントゲン画像を見て「手術適応だね」と言ったとしても、それはその段階で手術以外の選択肢がないということではありません。なぜならレントゲン画像から得られる情報はあくまで骨の問題についてのみだからです。脊柱管狭窄症で骨の隙間が狭くなっていても、変形性膝関節症で膝が変形していても、痛み無く生活している人だって実はたくさんいるんです。
骨はイマイチでも、筋肉や関節の動きなどを最大限発揮させることができれば、もしかしたら手術を先延ばしに、いや、手術せずに生活することが可能になる事も少なくありません。なので、チャンスがあれば一度理学療法士がいる病院でリハビリを受けてみるというのはおすすめです。
いずれにせよ、医師の話や我々リハビリ専門職の話を色々と聞いてみて、リハビリによる改善の伸びしろがどのくらいあるのかという点は早い段階で見立てを立てておきましょう。
リハビリはやってもらうものだという思考
病院は治療してもらうところ、という風に認識している人は沢山いらっしゃると思いますし、基本的には間違っていないと思います。ただ、リハビリに関してはその認識でいると思うように成果が出ないことも。リハビリはあくまで自分で頑張るものであり、我々セラピストはあくまでそのサポート役である、という事を理解してリハビリに取り組んでいる人とそうでない人のリハビリ効果の差は本当に大きいんです。
痛みが強い、上手く動かせない・・・そんな状態の時に動かせ動かせと発破ばかりかけられても当然リハビリははかどりませんが、基本的には我々が筋肉や関節の状態を整え正しい動きを誘導する中で、患者さん本人が正しい身体の使い方を経験し、練習し、身に付けていき、痛みや動かしにくさを減らしていく、というのがリハビリの本質です。主体性を持って取り組むことでリハビリ効果は劇的に向上するのです。今日も痛いから揉んで柔らかくしてほしい!という思考が中心の方はその場では少し楽になったとしてもやはり中々良くなりません。
あと裏話としては、やはり我々理学療法士としても「揉んで揉んで」と言ってくる患者さんとリハ意欲が高くセルフケアにも積極的に取り組む患者さんがいたとすれば、熱い熱量をもってリハビリに臨むのはやはり後者の患者さんです(もちろん前者の患者さんに対しても手は抜かずリハビリを行うというのは大前提として)。だから必然的に治療効果もさらに高まりますし、マンネリ化したリハビリになんて絶対になりません(笑)
ストレッチやマッサージは気持ちが良いものです。ただ、リハビリ室で提供するのは「リハビリ」。そういった視点を忘れずに真摯にリハビリに取り組めば、きっとリハビリ効率も上がり、精神的にも前を向いて明るく生活できるに違いありません。
リハビリの質を決めるのはあなたの「捉え方」
どうしてリハビリを続けているのに自分の症状が良くならないのか?その答えは人それぞれ異なります。もしかしたらそもそもリハビリで治すなんて不可能な状態なのかもしれない、でもそう言い切れるだけの根拠は示されているのでしょうか?お医者さんが手術しないと良くならないと言ったから?本当にそうなんでしょうか?
世の中に「絶対」なんてそうそう無いと、私は常々思ってまして。だから、リハビリをしても絶対に治らない、なんて言葉は言いたくありません。そりゃ、良くなる可能性がゼロに近い状態の方のリハビリをさせて頂くこともありますが・・・その方が諦めていないのであれば、我々も出来る限り力添えをしたいと思います。直るかもしれない可能性があるなら努力を惜しまずその可能性を模索しないと、後になってさらに後悔してしまうかもしれません。
今回のお話はここまで。参考になる部分はあったでしょうか?ではまた次の記事で。
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