足部はとても大切だ、という話

ども。

武内整形外科クリニックの理学療法士、テラサワです。

今回は足部についての話をしようと思います。

皆さんは足関節や足の裏って、普段どのくらい意識しますか?

健康や運動に対する意識が高いヒトでも、案外足部のことは深く考えたことがなかった、という方も多いんじゃないかと思います。

これを機に、ちょっとだけ足部のコトを深く考えてみませんか?

ということで、今回も最後までお付き合い頂けると嬉しいです。

目次

身体の中で最も外部と直接的な関わりが多いのが足部

なんで足部が大事なの?というと、一番の理由は

身体の中で最も外部との直接的なかかわりが多い部位

だから。

寝ている時以外、足の裏はほとんど常に床に接しています。

座っている時も、立っている時も、歩いている時も。

あ、まぁ・・・正坐や胡坐で座っている時はつかないか(笑)

でもまぁ、だいたいの時は足裏が床についてますよね。

それはつまり、

地球上の1Gという重力の中で

床面と身体の関係性を上手く適合させるためのキーとなる部位

であることを意味します。

足関節に関わらず、身体の全ての部位が常に重力の影響を受けているということはご存じかと思いますが、関節というものは可動性がある分、重力の影響で構造的な変化が生じやすくなるんですね。

よく聞く変形性膝関節症や腰椎椎間板ヘルニア。

こういった疾患も、結局のところ関節にかかる過負荷が直接的な原因になっています。

関節が正しい方向で無理なく重力を受け止めていれば、これらの疾患に関してすべてとは言わないまでも多くのケースで発症を回避できるというのは間違いないですから。

身体にかかる重力の方向性を確定させる要素。

その主たるファクターのひとつが足部なんです。

足部で大事なのは関節運動と足裏の感覚

身体にかかる重力の方向性を確定させる重要な要素であるとすれば、足関節の機能が大切なのはイメージしやすいと思うんですが・・・

同じくらい大事なのが

足裏の感覚

なんです。

  • 床に触れている感覚
  • 体重がかかっている感覚

普段意識することは少ないと思うんですが、この両者の感覚は本当に大事。

足の先の方に意識を向けながら体重を前の方に乗せられますか?

かかとにグッと体重を乗せながら背筋を伸ばせますか?

意識的に足部の内外に体重を乗せることができますか?

適度な関節可動域と足裏の感覚、

もうちょっと言えば、足指の細かい可動性と筋力なんかも大事。

こういった諸々の機能が揃って初めて、足部を機能的に使用することができるんです。

足部の機能が低下するとどうなるのか

足首を痛めやすくなります、もちろん。

つまずきやすくなったり、疲れやすくなったりもします。

でもそれだけじゃなくて・・・

  • 膝の痛みや膝周囲の疾患
  • 腰の痛みや腰周囲の疾患
  • 肩周りの痛みや肩周りの疾患

こういった症状を増悪させるリスクにもなります。

結局、足部がちゃんと機能していないと変な姿勢になりやすく、色んな関節に過剰な負荷がかかってそこかしこが痛くなってくる・・・というコト。

でも逆に言えば、こんな風にも考えられます。

例えば変形性膝関節症とかで骨の変形がすごくて、これはもう手術をするしかないってケース。

足関節が機能していなくて、足部と床との適切な関係性が破綻しているものの、この部分に関しては改善の余地がある・・・。

その場合、足部を機能的に使えるようになれば荷重時の膝への負担は軽減できるかもしれません。

変形そのものはどうこう出来ないかもしれませんが、痛みや動作の安定性といった部分に関しては改善させられる可能性があります。

足部の機能を維持向上させるために

では具体的に、足部の機能を高めるためにどんな要素が必要になるのか。

  • 足周りの関節を全方向に無理なく動かす
  • 足部の色んな部分に体重を乗せる

このふたつだけ。

ちょっと詳しくお話していきますね。

足周りの関節を全方向に無理なく動かす

足関節をしっかり動かしましょう、と言われると

こういう運動をイメージしますよね。

いわゆる足関節の背屈動作

という脛の周りの筋肉を働かせる運動。

高齢な方なんかは特に、

膝が痛いおばさん

この運動は毎日続けています。だから足首は柔らかいハズなんだけど・・・。

なんて考えている方、けっこうたくさんいます。

でも、足部というのは

  • 背屈
  • 底屈
  • 外転
  • 内転
  • 回内
  • 回外

という4つの運動が存在します。

ただ、内外転と回内外は複合的な動きになるので実際は

  • 背屈
  • 底屈
  • 内返し
  • 外返し

この4パターンの運動がある、と言った認識でも構いません。

つまり、

足部をしっかり動かそうとした場合、この4パターンの動きをしっかりと行う必要があります。

背屈運動だけを黙々と続けても、それだけでは不十分(苦笑)

足部の色んな部分に体重を乗せる

立った状態で

つま先の方に体重を乗せる、

かかとの方に体重を乗せる、

足の内側の方に体重を乗せる、

足の外側の方に体重を乗せる、

普段から意識的にこういった重心の移動を行ってみるというコトが大切。

もちろん、姿勢や動きのクセから重心を前に乗せやすい人もいれば後ろに乗せやすい人もいると思います。

大切なのは

意識すれば足裏のどの部分にもある程度スムーズに重心移動を行える、ということ。

歳を重ねてくると、足指が硬くなって機能しにくくなったりして足部の前方にしっかりと重心を乗せられない、なんて方が非常に増えてきます。

おわりに

今回の記事は足部について書かせて頂いたんですが・・・

解剖学的な細かい話とか、機能的メカニズムに関しての話はあまりしていません。

正直、一般の方はそういう話って疲れちゃうと思うんですよね(笑)

だからこの記事を読んだ方は

  • 足関節は色んな方向にしっかり動かそう
  • 足裏に適切な感覚を入れるため、足裏の色んな部位に体重をかけてみよう

この2点だけ覚えてもらえれば、と。

簡単なことではありますが、この2点だけでも普段意識できるようになれば、足部の機能はかなり維持できるんじゃないかと思います。

是非試してみてください。

ではまた。

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この記事を書いた人

松本市にある武内整形外科クリニックに勤務する理学療法士。
産まれも育ちも長野県で、地元が大好きな39歳。
臨床年数に胡坐をかくことなく、日々知識と技術のアップデートに邁進しています。
健康に関する情報やリハビリに関する情報、勤務する武内クリニックに関する情報などをブログで不定期に発信していきます。

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