腰痛予防には股関節が大切

ども。

武内整形外科クリニックの理学療法士テラサワです。

前回は腰方形筋が腰痛に関与しているよーってことで、腰方形筋のセルフケアについてお話させて頂きました。

今回も腰痛関連の記事なんですが、

今回のテーマは

腰痛に対する股関節機能の重要性

についてお話しさせて頂こうかと思います。

で、

具体的に股関節機能を高めるためにオススメのエクササイズも紹介しようと思います。

良かったらお付き合いください。

目次

腰痛予防。股関節の『何』が大事なのか

最近は健康番組とかでも、

腰痛予防に大切なのは股関節なんです!』

なんて言葉をよく聞くようになりました。

さて、では股関節の『何』が腰痛予防に関連してくるのでしょうか?

個人的な見解としては

  • 股関節の関節可動域
  • 股関節周囲筋の筋力
  • 股関節と骨盤、腰椎の協調性

この3点。

それぞれ少し詳しく見てみましょう。

股関節の関節可動域

まず、最も重要なのがコレ。

ある程度股関節の周りに筋力があったとしても、股関節の柔軟性が不十分であれば将来的に腰痛を引き起こすリスクは非常に高いといって良いと思います。

股関節の可動性というのは

この6つの動きがベースになります。

これらの動きが複合的に機能することで、様々な動作が可能になっているんですね。

股関節の可動性、柔軟性、というと

屈曲動作外転動作が注目されがち。

そのどちらも非常に大切なんですが・・・

例えば立ったり歩いたりする場合。

股関節の伸展と内旋の動きが非常に大切になります。

高齢者で腰痛を訴える方はこの2つの可動域が極端に制限されていることがほとんど。

もちろん、身体は柔らかければ柔らかいほど良い、という話でもありません。

柔らかすぎるのも弊害に繋がるリスクがあるので、極端な柔軟性は追究しない方が無難ですが、基本的には前述した股関節6つの可動性はすべて一定以上の機能を保ちたいもの。

股関節周囲筋の筋力

股関節の可動性を保つために6つの動きが大事だよ、といいました。

であれば当然、それぞれの動きを行うために使う筋力というのも大事になります。

そして、筋力というのは

  • 求心性の収縮力
  • 遠心性の収縮力

というものがあります。

求心性の収縮力というのはいわゆる、縮みながら発揮する筋力のコト。

対して遠心性の収縮力というのは、伸びながら発揮する筋力のコトを言います。

例えばこの絵。

鉄アレイを持ち上げている右手の上腕二頭筋は求心性収縮、鉄アレイを下ろしていくスピードをコントロールしている左手の上腕二頭筋は遠心性収縮をしている、ということになるワケです。

一般にはあまり聞かない言葉かもしれませんが・・・

筋トレや運動をする時はついつい求心性の筋収縮ばかりを鍛えがち。

動作の安定性や細かい動きのコントロールなどでは遠心性の収縮が非常に重要になります。

腰痛に関して言えば、股関節周囲筋や骨盤周囲筋の

求心性・遠心性の適切な収縮力を備えた筋力の有無

大きく関係してきます。

股関節と骨盤、腰椎の協調性

腰椎骨盤リズム、という言葉があります。

詳しく知りたいという方はググってもらえればと思うんですが、簡単に言うと

股関節、骨盤、腰椎にはそれぞれの可動域があって、タイミングよくそれぞれの関節が機能することで腰から股関節までスムーズな動きをしますよーというコト。

もうひとつ。

股関節と骨盤の構造的な関係から、

骨盤後傾位では股関節は外旋しやすく、骨盤前傾位では股関節が内旋しやすい

という特徴があります。

腰痛持ちのヒト、ぎっくり腰になりやすいヒトというのは、

腰椎骨盤リズムや、股関節と骨盤の連鎖的な動きが破綻してしまっているケースが多々見られます。

股関節機能を高めるエクササイズ

そんなわけで、股関節機能(+骨盤の機能も)というのはすごく大事なんです。

これから紹介するエクササイズはこれまで述べてきた

  • 股関節の可動性
  • 股関節周囲筋の筋力
  • 股関節と骨盤、腰椎の協調性

すべての機能向上に有効だと自負しています。

ただ・・・

ちょっと大変(苦笑)

高齢な方とか、腰痛が元々かなりひどいという方には不向きです。

もちろん、やり方を工夫すれば出来ない事はないですが、くれぐれも無理をしないようにお願いします。

ではさっそくやり方を。

まずスタート姿勢。ちょっと姿勢が悪いですがご愛敬(笑)

写真では平行棒に掴まっていますが、ある程度安定した椅子の背などでも構いません。それでも不安定な方は両側に把持物を置いて行なってもらってもOK。

まずは骨盤を後ろに倒し、身体を丸めながら、股関節外旋位で股関節を屈曲。

前から見るとこんな感じです。

その後に、今度は骨盤を前に倒し、若干腰を反らせながらかかとがお尻の高さにくるまで股関節を伸展。膝は曲がっても大丈夫です。その時に股関節は出来るだけ内旋位・・・内股を意識します。かかとが外を向くようなイメージですね。

後ろから見るとこんな感じ。

この動きを出来るだけゆっくり繰り返します。

ポイントは、

得意な方だけ大きく動かさない

ということ。

普段の姿勢やクセから、おそらくどちらかの動きがやりやすくてどちらかの動きがやりにくい、といった感覚があると思います。

ついつい得意な動きを大きくしがちですが・・・

動かす範囲は、動かしにくい方の動きに合わせる

イメージで行ないましょう。

あと、軸足になる方の足は出来るだけお尻と膝に力をいれ、膝はほんのり曲がるくらい、股関節はびしっと伸ばした状態をキープ。

運動している側だけでなく、軸足に対するアプローチも兼ねているというコトも念頭に。

写真だけじゃイメージしにくいと思うので

動画も貼っておきます。

https://www.youtube.com/shorts/nuU9i1riiGk

どこかに痛みや違和感が生じる場合は決して無理をしないでください。

特に、股関節伸展の動きに関してはヘルニアや脊柱管狭窄症がある方は症状が悪化する可能性もあります。

痛みや違和感が出たらすぐに運動を中止してくださいね。

おわりに

今回のエクササイズはけっこう負荷量が大きく、普段から股関節や骨盤をしっかり使えていないヒトにとってはかなり大変なんじゃないかと思います。

まずは左右10回1セットを目標にしてみましょう。

でも、この運動がそれほど苦も無く出来るようになると、知らぬ間に股関節周囲の機能性は向上しているハズ。

腰痛予防だけでなく、日常の疲労感軽減やスポーツのパフォーマンス向上にも繋がるので、是非習慣化して頂けたらと思います。

では。

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この記事を書いた人

松本市にある武内整形外科クリニックに勤務する理学療法士。
産まれも育ちも長野県で、地元が大好きな39歳。
臨床年数に胡坐をかくことなく、日々知識と技術のアップデートに邁進しています。
健康に関する情報やリハビリに関する情報、勤務する武内クリニックに関する情報などをブログで不定期に発信していきます。

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