大腿四頭筋の話

ども。

武内整形外科クリニックの理学療法士、テラサワです。

今回から

ひとつの筋肉に着目した記事なんかもチラホラと書いていこうかなーと。

健康番組とかよりはちょっとだけ

マニアックな感じでいきます(笑)

そんな初日のテーマは…

大腿四頭筋

わりと有名な筋肉ですよね。

今回はこの大腿四頭筋を

ちょっとだけ掘り下げてお話させて頂きます。

目次

大腿四頭筋てどこの筋肉?

まずは大腿四頭筋はどこにある筋肉なんだろうというところから。

はい、こんな感じです。

太ももの前側についている筋肉ですね。

名前の通り、大腿四頭筋というのは4つの筋肉に分かれています。

内側広筋中間広筋外側広筋の上に大腿直筋が被さる形になっていて

中間広筋なんかはほぼほぼ大腿直筋に隠れて見えません。

大腿直筋以外は大腿骨の頭の方から膝のお皿(膝蓋骨)をまたいで、すねのあたりにくっついています。

大腿四頭筋のうち、大腿直筋だけは骨盤の下のあたりから 膝のお皿(膝蓋骨)をまたいで脛(すね)のあたりまで伸びています。

大腿四頭筋はどんな時に働くの?

こんな感じで膝を伸ばすときにキューっと収縮します。

大腿四頭筋は4つの筋全て、主に膝を伸ばすときに働くんですが…

この4つの筋肉の中で注目してもらいたい筋肉が2つ。

ひとつは

内側広筋

です。

内側広筋は最後に頑張る

1番内側の筋肉ですね、内側広筋。

この内側広筋は先ほどの図のように膝を伸ばそうとした時、最後の10°~15°程度…ラストひと頑張り!というところでバシッと働いてくれる筋肉です。

逆に言えば、この内側広筋がちゃんと働いてくれないと、膝を伸ばそうと頑張っても最後のひと伸びが中々伸ばせません。

他の3筋と比べ、内側広筋というのは筋力低下を起こしやすい筋肉だったりするので…

高齢者の方はこの内側広筋が筋力低下を起こし、膝をしっかりと伸ばせなくなっていることも少なくないんです。

大腿直筋は4筋の中で唯一、股関節の動きにも関わる

で、注目して欲しいもうひとつの筋肉は

大腿直筋

です。

大腿直筋は4筋の中で唯一、骨盤の下の方にくっついているので…

膝を動かすだけでなく、股関節に機能にも影響を与えやすい筋肉と言えます。

太ももを上げるような動き(股関節の屈曲)では腸腰筋や縫工筋という筋肉を主に働かせるんですが

大腿直筋も補助的に働きます。

この作用があるのは大腿四頭筋の中でも大腿直筋だけです。

大腿四頭筋が上手く働かないとどうなるの?

主に考えられるのは以下の5つ。

  • 立ち座りが大変にある
  • 歩く時に膝がカクっとなり転びやすくなる
  • 膝が痛くなる
  • 足が何だか重ったるくなる
  • 腰痛が生じやすくなる

膝を伸ばす、という動きは立ち座りや歩く動作では必須の機能のひとつ

そのため大腿四頭筋が上手く使えていないとこれらの動作が非常に困難になってきます。

で、膝の曲げ伸ばしというのは

膝を伸ばすための大腿四頭筋と

膝を曲げるためのハムストリングスという筋肉が

協調的にバランスよく働くことで滑らかな動きを作り出しています。

そのため、大腿四頭筋の機能が低下するとこの協調的な動きが破綻してしまい

膝の痛みや重だるさを生じさせてしまうんです。

あと・・・

意外と知られていないのが、

大腿直筋の短縮が腰痛の原因のひとつになる

ということ。

大腿四頭筋で唯一、骨盤にもくっついている大腿直筋は、何らかの原因で筋肉が硬くなったり縮んだりすると骨盤の動きを制限してしまいます。

そうなってくると、腰が上手く伸ばせなり、骨盤周囲の他の筋肉への負担が増加することで腰痛を生じさせます。

膝が痛いヒトって、ついつい膝や腰を曲げて歩くじゃないですか?

この姿勢は大腿直筋に過剰な緊張や短縮を誘発しやすいため、更に大腿直筋が縮んで、更に膝や腰の痛みが強くなって…と悪循環に陥りがち。

膝が悪いヒトって、腰も悪くなってしまう場合が多いんですよね。

大腿四頭筋の機能を保つために

大腿四頭筋の機能を保つ、というのは

『筋力をつける』という意味だけではありません。

もちろん、筋力を維持・向上させるという事は非常に重要なこと。

病院や整骨院に行っても

しっかりと膝の筋肉をつけることで痛みをコントロールしていきましょう。

というような文言を必ずと言っていいほど言われるハズです。

でも、それだけだとちょっと不十分。

膝の機能を保つために最も重要なことは

  • 膝周りの筋肉の筋力をつけること
  • 膝周りの筋肉の柔軟性や収縮性を確保すること

この2つ。

筋力だけでなく、柔軟性というものが非常に大切なんです。

膝の運動をする時は筋トレだけでなく、ストレッチもセットで行ないましょう。

おわりに

今回は、大腿四頭筋について少し詳しくお話させて頂きました。

テラサワの場合、実際の臨床現場で膝が痛いという患者さんに対してアプローチを行う時はまずこの大腿四頭筋のコンディションを確認し、治療的な介入に入ることが多いです。

もちろん痛みをはじめとした機能障害は様々な原因が関与していることが多いので、膝の悩みは一概に大腿四頭筋の機能不全が主な問題だと決めつけるのは良くありませんが…

膝が悪い人の多くは、大腿四頭筋を上手く使えていません。

そういった方の場合は

大腿四頭筋のコンデションを整えるだけでも足の重だるさや痛みはある程度緩和することができます

筋トレの運動やストレッチの方法などはYouTubeなどで検索すると色々と出てくると思いますので、興味のある方は検索してみてください。

このブログでも、そのうちオススメの運動なんかを紹介するかもしれません(笑)

では、今回はこのへんで。

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この記事を書いた人

松本市にある武内整形外科クリニックに勤務する理学療法士。
産まれも育ちも長野県で、地元が大好きな39歳。
臨床年数に胡坐をかくことなく、日々知識と技術のアップデートに邁進しています。
健康に関する情報やリハビリに関する情報、勤務する武内クリニックに関する情報などをブログで不定期に発信していきます。

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