ども。
武内整形外科クリニックの理学療法士、テラサワです。
当クリニックでは、理学療法士が行う運動器リハビリを売りのひとつにしているワケですが・・・
皆さんは、理学療法士が行うリハビリと聞いて、
どんなことをやるのか、パッとイメージできますか?
十数年前と比べると、理学療法士という資格の知名度は少しずつ上がってきています。
それでも、
『理学療法士ってどんな職種なんだろう?』
『リハビリではいったいどんなことをやるんだろう?』
といった疑問を持たれている方は沢山いらっしゃるのではないでしょうか?
今回は
当クリニックで行なっている
運動器リハビリテーション
について、少し詳しくお話しようと思います。
そもそもリハビリテーションて?
案外、こう聞かれると返答に迷うという方は多いんですよね。
では、定義を見てみましょう。
「リハビリテーションとは能力低下の場合に機能的能力が可能な限り最高の水準に達するように個人を訓練あるいは再訓練するため、医学的・社会的・職業的手段を併せ、かつ調整して用いること」
世界保健機関(WHO)/1968
HWOが定めた定義は上記。
ちょっと堅苦しい文面ではありますが要するに
『何かしらの能力低下があった場合、様々な手段を用いて普通に幸せな生活を送れるよう色々と頑張ること』
みたいな感じです。
ちなみに、我々が良くリハビリ、リハビリというのはもうちょっと狭い意味の
『医学的リハビリテーション』
を指します。
ではその医学的リハビリテーションというのは何かというと・・・
「個人の身体的機能と心理的能力、また必要な場合には補償的な機能を伸ばすことを目的にし、自立を獲得し、積極的な人生を営めるようにする医学的ケアのプロセスである」
世界保健機関(WHO)/1969
これまたWHOからの引用です。
機能回復に向けた医学的ケアのプロセス、それをリハビリ、と呼んでいるというワケですね。
具体的には、
- 弱った足腰を強くするために筋トレをする
- 硬くなった関節を動かすため関節可動域運動をする
- 起立や歩行などを再び行えるよう練習する
- 痛みを緩和するために物理療法治療を行う
- 装具や補助具を上手く使えるよう練習する
- 認知機能を低下させないよう脳トレをする
等、このようなことが本来の『医学的リハビリテーション』になります。
クリニックに来る患者さんの中には
電気治療やマッサージチェアで気持ち良くなるのがリハビリ、
筋肉を揉んでほぐして気持ち良くしてもらうのがリハビリ、
といった認識を持たれている方が比較的多くいらっしゃいます。
しかし、
どちらかというとそれらはリラクゼーション的なイメージが強く
本来のリハビリテーションとはちょっと意味が異なっているんですね。
理学療法士という職種
さて、『リハビリ』という言葉については本来の意味がイメージできたでしょうか?
次は理学療法士について。
すごーくざっくりと言うと
リハビリを手伝ってくれるヒト
です(笑)
前述したようなリハビリを
患者さんと一緒に頑張る仕事、それが理学療法士。⇐雑な説明
筋肉の事や関節の事をはじめとした人間の構造、起立や歩行といった動作のメカニズムに関する知識には少しばかり自信があります。
それらの知識を基に、患者さんの機能回復に最も適した機能訓練プログラムを立案し、時に優しく時に厳しく叱咤激励しながら一緒に頑張るのが理学療法士の仕事。
今は理学療法士の職域も広がり、これだけが理学療法士の仕事、というワケでは無いんですが・・・
とりあえず、こんな感じにイメージしてもらえれば概ね問題ないんじゃないかと。
※ちなみにリハビリに関わる職種として、理学療法士のほかに作業療法士や言語聴覚士などもありますが・・・この記事の趣旨と外れるため今回は説明を割愛します。関係職種の方いたらすいません(苦笑)
それぞれが指す『リハビリ』
自分自身やご家族知人が病院に入院し、リハビリを受けたことがある場合と
日々近所の整形外科医院、クリニックに通院している場合とでは
リハビリに対するイメージが異なる場合がほとんど。
前者は『リハビリ=理学療法士、作業療法士、言語聴覚士による機能訓練』
後者は『リハビリ=電気治療』
なぜこのようにイメージが異なるんでしょう?
その理由は
リハ職が勤務しているか否か。
療法士による機能訓練も、電気治療・・・いわゆる物理療法も、どちらもリハビリです。
ただ、個人でやっている整形外科の小さな医院やクリニックでは
我々のような専門職が常駐していない場合がほとんどなので
必然的にリハビリとして行えるのは電気治療やけん引治療といったものに限られます。
そのため
『リハビリ=電気治療』
というイメージが定着しがちなんですね。
当クリニックではどんなリハビリをするのか
さて、ここまで読んで頂ければ
理学療法士がいるクリニックって、なんだかよさげな気がする・・・
と思えてきたんじゃないでしょうか?(笑)
ちなみに、ひと言に理学療法士が行うリハビリと言っても、細かい内容については病院によってかなり違いがあります。いや、正確には担当になったセラピストによって重視するポイントが異なる、と言った方が正しいかも知れません。
例えば、変形性膝関節症に対するリハビリ。
『膝の痛みを何とかして欲しい』
という患者さんの希望に対して、
- 膝周りの筋力をつけることで痛みを減らす
- 膝周りの可動性を確保することで痛みを減らす
- 正しい体重のかけ方を練習することで痛みを減らす
- ストレッチや筋膜リリースなどで周囲の筋肉を整え痛みを減らす
など、アプローチの切り口は様々。
治療のための手技や概念も多岐にわたるため、実際はセラピストの数だけリハビリのパターンがあると言っても過言ではありません。
当クリニックで行う運動器リハビリテーションでは基本的に
症状が出ている部位だけではなく、
全身の筋肉や関節の位置・状態を整え
身体が無理なく本来のパフォーマンスを発揮できる状態に導いていく
という部分に主眼を置いています。
例えば・・・
肩が痛い、という患者さん。
もちろん肩関節そのものにもアプローチしますが、
肩関節の可動性を低下させている可能性が高い肩甲骨や胸郭、脊柱の機能はどうか?
運動パターンとして無理のあるクセがついてしまっていないか?
筋肉の短縮や過剰な伸長で出力を発揮しにくい状態になっていないか?
など、様々な要素を統合して治療プログラムを検討します。
その上で
筋トレをしたり、関節可動域訓練をしたり、動作練習をしたり…
無理なく機能の向上が図れるよう、ご本人様の訴えやご要望をお聞きしながら関わらせて頂いています。
とりあえず受診し、先生に相談を
やっていることは何となくわかったけど・・・
自分の症状ってリハビリしてもらえるのかな?
という疑問をお持ちの方もいらっしゃると思います。
もちろん必ずしも運動器リハビリテーションの対象になるとは限りませんが・・・
もしかしたら、数年来の身体の不調を改善させるきっかけになるかもしれません。
うちの院長先生はとても気さくで話をよく聞いてくれる先生なので、
ものは試しで、リハビリが受けられるか聞いてみてはいかがでしょう?
※制度上、我々は医師の処方がないと保険適応内でのリハビリを行うことができません。ご希望の方は診察の際に先生にその旨をお伝えください。