ども。
武内整形外科クリニックの理学療法士、テラサワです。
今回は
筋肉の話。
着目するのは・・・
腸腰筋と多裂筋
です。
さっそくいってみましょう。
腸腰筋と多裂筋
まずはどこにある筋肉なのか、どんな働きをするのか、という話から。
腸腰筋は比較的耳にすることも多い筋肉ですが・・・
多裂筋については初めて聞く、という方も少なくないのではないでしょうか。
腸腰筋
大腰筋と腸骨筋の二つの筋肉
この2つを合わせて腸腰筋と呼びます。
腰骨(腰椎)の横や骨盤の内側から、大腿骨の上の方についていて・・・
太ももを持ち上げるような動作で働きます。
多裂筋
あまり聞きなれない筋肉ですよね、多裂筋。
ついている位置はこんな感じ。
背骨の周りについている筋肉で、体幹を安定させるインナーマッスルのひとつとして知られています。
働きとしては
こんな風に背筋を伸ばしたきれいな姿勢を取ろうとしたときに
骨盤をきれいに立てて、背筋を安定させてくれるのが多裂筋になります。
腸腰筋と多裂筋が上手く働かないと?
腸腰筋が上手く働かないと、足を上げにくくなります。
結果、階段を上る時に疲れやすくなったり、歩行時につまずきやすくなったり・・・
腸腰筋の筋力低下は転倒に繋がるリスクのひとつとして考えられています。
多裂筋が上手く働かないと、腰を伸ばして座ることが難しくなります。
それぞれで考えると、上記のような弊害に繋がりやすくなるワケですが、
この
腸腰筋と多裂筋が協調的に働くことで腰や骨盤周囲の安定性を保っている
という事実は
あまり知られていないのではないでしょうか?
つまり、多裂筋か腸腰筋のいずれか、もしくは両方の筋力が低下することで
腰や骨盤周囲の安定化機構が破綻し
腰痛が生じる可能性が高くなる
ということです。
腸腰筋と多裂筋の協調性
背筋を伸ばして良い姿勢になる時というのは
ある程度骨盤を起こしている必要があります(骨盤の前傾)
そして、骨盤を前傾させるためには
腰椎伸展筋である多裂筋と
股関節屈曲筋である腸腰筋が
適切なタイミング、適切な出力で働かなくてはいけません。
これらの筋肉が上手く働かないと、他の筋肉や関節に過剰な負荷がかかり
不良姿勢の助長、腰痛の出現
などに繋がりやすくなってしまうのです。
腰痛の予防、緩和のために
もちろん、腰痛の原因は多岐にわたります。
ただ、腸腰筋と多裂筋は加齢とともに筋力が低下しやすい筋肉。
若い頃は気にならなかったのに
年齢を重ねてからよく腰を痛めるようになった、というアナタ。
もしかしたらその腰痛の原因は
腸腰筋や多裂筋の筋力低下が関係しているからかもしれません。
今回の記事はこのへんで。
ではまた。