ども。
理学療法士テラサワです。
今回のテーマは
脊柱管狭窄症についてちゃんと知る
です。
脊柱管狭窄症については前にも記事を書いていますが・・・
ちょっと切り口を変えた内容でお話しさせて頂きました。
良ければお付き合いください。
『脊柱管狭窄』という括り
まず知って頂きたいのは・・・
脊柱管狭窄症というのはひとつの病気というよりも
脊柱管の構造的変化における総称
であるということ。
これ、当たり前のようでいて知らない方がけっこう多いんです。
脊柱管というのは神経や血管が通っている背骨の後ろにある管のことなんですが、ここが細くなる要因があればそれらは全て脊柱管狭窄症と呼ばれ得るワケで。
なので、
同じく脊柱管狭窄症と診断されたヒト達であっても病態は必ずしも同じとは限りません。
つまり、リハビリや運動をするにしてもフォーカスする部分が少し変わってくるということ。
まずはこの部分をしっかり押さえておかないと、
脊柱管狭窄症に良いっていう運動をYouTubeで見つけたからやってみたけど・・・全然だめじゃない!
みたいなことに繋がりがち(苦笑)
前の病院での診断名は椎間板ヘルニア。今回は脊柱管狭窄症。正しいのは?
前の病院では椎間板ヘルニアって診断を受けたんですが・・・今回は脊柱管狭窄症って言われちゃいました。どっちが正解なの?
うちのクリニックにくる患者さんでも何人かこんな風に質問される方がいますが・・・
多分、どっちも正解です。
先ほども述べたように、脊柱管狭窄症というのは脊柱の構造的変化の総称であるため、その元の原因が椎間板ヘルニアだろうと、腰椎すべり症だろうと、靱帯の肥厚によるものだろうと・・・
脊柱管狭窄症であることは変わりありません。
ただ、原因が何かによって注意点が変わったりすることはあるので、そのあたりについてはしっかりとお医者さんに聞いておく必要があります。
遺伝的要素の関連性
脊柱管狭窄症になりやすい人とそうでない人。
さまざまな要素によって、ある程度の差が出てきます。
よく言われるのは後天的要素の部分。
- 加齢
- 不良姿勢
- 肥満
- 喫煙
この辺りは症状の出現、あるいは進行に大きく関与してきます。
当然、歳を重ねれば筋肉や関節は衰えます。骨をはじめとした構造組織の劣化は脊柱管狭窄症の症状と相関があるのは明らか。
不良姿勢はそもそも筋肉や関節に継続的な過負荷をかけることになるので、脊柱に良い影響はありません。
肥満も結果として不良姿勢や各組織への負担増大に繋がりやすくなるため脊柱管狭窄症の発症リスクに関わってきます。
そして、案外意識されない方が多いんですが・・・喫煙も脊柱管狭窄症のリスクにつながります。というか、喫煙はそもそも骨の劣化を早めるためどこの関節も劣化しやすくなるというのがじつのところ。
ちょっと前まではこういった後天的な要素の影響が大きいとされていましたが・・・
ここ最近は
先天的・遺伝的要素もある程度脊柱管狭窄症の発症・進行に関与している
という論文等も多く目にするようになってきました。
大まかに言えば、家族で骨がもろい人や姿勢が悪い人、脊柱管狭窄症に罹患した方がいる場合、そうでない方と比べて発症率は高くなります。
とは言っても、家族に上記のような方が居たからと言って悲観的になる必要はありません。
いずれにせよ、後天的な要素が強いというのは間違いないわけなので、正しい知識の元、正しくケアをしていればそうそう怖がる必要はないと個人的には考えています。
それに、画像上は脊柱管が狭窄している所見があったとして、同程度の狭窄があった人が全て同程度の症状に悩まされるとは限りません。
一方はひどい痛みとひどいしびれで薬を飲まないと夜も眠れない。
はたまたもう一方は多少の腰痛はあるものの日常生活は問題なく送れている。
嘘みたいな話ですがけっこう少なくないんです、こういう差が出るケース。
その差は何かというと、あ、もちろん一概に断定はできませんが・・・
狭窄はともかくとして、
身体の他の部分の機能を十分に発揮できているか否か
ここが症状の程度に大きく関与してきます。
なので、正しい知識の元、正しく運動を行いながら機能を維持することができれば、仮に脊柱管狭窄症という診断を受けたとしてもそこまで症状に悩まされずに済む、ということは十分に可能なんです。
あと、実は日本人て脊柱管狭窄症になりやすかったりするんですよね(苦笑)
脊柱管狭窄症を予防するには
さて、じゃあ脊柱管狭窄症にならないためには何が重要かという話。
ポイントは以下の4つ。
- 脊柱・胸郭、骨盤周囲の柔軟性と可動性
- 神経の伸張性と弾力性
- 姿勢保持に必要な最低限の筋力・持久力
- 喫煙をしない
脊柱や肋骨の周り、骨盤の周りや股関節なんかの柔軟性や可動性はどんな疾患であっても大切になってきますが・・・
脊柱管狭窄症に関しては特に重要。
で、この辺りが硬くなって動きが少なくなると脊柱管の中を通る神経も伸張性や弾力性が乏しくなります。そうすることで機械刺激に過剰に反応しやすくなり、姿勢の変化に神経の柔軟性がついていけず痛みやしびれ、痙攣などが出現しやすくなることも。
あとはそもそも、良姿勢をキープできるだけの筋力や持久力がない場合は結果的に不良姿勢へと繋がり、その繰り返しが筋肉や関節、その他の組織への過剰な負担から脊柱管狭窄症発症のトリガーとなってしまいます。
喫煙は・・・何度も言う必要はありませんよね(笑)
おわり☆
さて、今回は脊柱管狭窄症についてのお話をさせて頂きました。
基本的には動画の内容に沿う形で記事を・・・というつもりだったんですが、前回今回と2回分記事を書いてみて思いました。
動画とブログ記事、話す内容が別物に近いような…
喋ってるときは喋りたいことがあるし、記事を書いている時は記事に落としたいことがあるんですねきっと(身勝手)。
まぁ、こういうスタイルもテラサワらしくてアリかなと思うのでおそらく今後もこんなスタイルで行くと思います(笑)
なので、内容に興味がある方は動画と記事、両方に目を通して頂けるとより理解が深まるかもしれません。
という事で今回は終わりにしたいと思います。
ではまた。
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