腰痛の原因になりやすい腰方形筋を自分でケアする方法

ども。

武内整形外科クリニックの理学療法士、テラサワです。

今回の記事では

『腰方形筋』

という筋肉にスポットを当ててみようかと思います。

一般の方にはあまり聞き馴染みが無い筋肉かも知れません、腰方形筋。

ただ、この筋肉・・・

腰痛にめちゃくちゃ関係していることが多い筋肉なんです。

長年腰痛に悩んでいるという方は、もしかしたらこの腰方形筋が原因になっている可能性も・・・

目次

腰方形筋とは?

位置

まずはどんな筋肉なのか見てみましょう。

横っ腹から腰のあたりにある筋肉ですね。

骨盤(寛骨)の上のあたりから、腰骨の横のトコ(第1~第4腰椎棘突起)一番下の肋骨(第12肋骨)にくっついているのが分かると思います。

あと、見えずらいんですが腸腰靭帯という靭帯にもくっついています。

骨盤と、腰骨と、肋骨についていて、四角みたいな形をしている腰方形筋。

くっついている場所から考えても、こいつが硬くなったり縮んだりしたら腰の周りが動かしにくくなり腰痛になりそう・・・って思いません?

働き

片側の腰方形筋が働くと

こんな感じで身体を横に側屈させます。

ちなみに、両側の腰方形筋が収縮すると腰を反らすような形に。

腰を反ったような姿勢になっているヒトは、常時腰方形筋が強めに収縮しているか短縮している可能性も。

ちなみに上半身を固定した状態であれば

骨盤を引き上げるような動きをすると腰方形筋が働きます。

腰方形筋の機能不全でどんな症状が出る?

腰方形筋が上手く働いていないと

  • 腰からお尻にかけての重だるさや痛み
  • 股関節や骨盤周りの柔軟性低下
  • ぎっくり腰になりやすい

こういった症状に繋がりやすくなります。

腰方形筋は、脊柱起立筋の下、けっこう深部にある筋肉。

それゆえに凝り固まって硬結部位が出来ても、上手くほぐしたり伸ばしたり出来ない事も多いんですよね。

症状的には神経痛のような鋭い痛みが生じることも少なくないため、神経根症状と間違われることもしばしば。

元々脊柱管がちょっと狭くなっていたりすると、画像を見て

これは脊柱管狭窄症からくる神経症状による痛みですね。

とかって言われがちなんです。お医者さんも見つけにくい。

あと、腰方形筋は股関節を曲げる時に働く大腰筋と非常に近い位置関係にあります。

したがって、腰方形筋が硬くなるとそのすぐ裏にある大腰筋も硬くなり、股関節の機能が低下することで更なる腰痛の悪化を招く・・・なんてことにも繋がりやすいんです。

腰方形筋を自分でケアする方法

腰方形筋を自分でケアする上で必要なコトが2点。

  • ちゃんと腰方形筋を自分でつかめる
  • 骨盤引き上げ動作を行うことができる

これらが出来れば、腰方形筋のセルフケアは非常に簡単なんです。

ということで、まずはこの2点について。

ちゃんと腰方形筋を自分でつかめる

腰方形筋は横っ腹より若干後ろに位置しています。

場所としてはこのへん。

一番下の肋骨のすぐ下、の、奥。

その部分を・・・

こんな感じでがばっと。

腰方形筋は深い所にあるので、つかむ側の脊柱起立筋ごとごっそりつかむ勢いで。

中指は背骨につくんじゃないかっていうくらい深くまで突き刺しましょう(笑)

ちなみに前述した通り、腰方形筋は脊柱起立筋より奥の方にあります。

そのため、立位や座位、写真のような膝立ち位だと脊柱起立筋が収縮して硬くなっているので、けっこうつかみにくいハズ。

なので、仰向けで寝て、腰周りは脱力した状態でつかんでみましょう。

この段階だと、ホントに腰方形筋つかめてるのか?って感じると思います。

その確認は後述する骨盤引き上げ動作で。

骨盤引き上げ動作を行うことができる

仰向けになって寝て、膝を曲げずに骨盤を引き上げます。

骨盤を上げたり下げたりすることで腰方形筋が伸び縮みするので、ちゃんとつかめていれば指先で腰方形筋の伸縮を感じることができるハズ。

イマイチ良く分からないってヒトは腰方形筋をちゃんとつかめていないのかも。

https://youtube.com/shorts/75zFIo4F9KQ?feature=share

↑動画で見るのが一番分かりやすいと思うので、動画見てみてください。

さて、腰方形筋をしっかり触知しながら、骨盤の引き上げ動作を行うことはできたでしょうか?

これらさえできていればケアは簡単。

ためしに腰方形筋をつかみながらゆっくり骨盤引き上げ動作をやってみてください。そうすると、だいたいどのあたりからどのあたりまで腰方形筋があるなーっていうのが分かるんじゃないかと思います。

で、その中でも柔らかくて柔軟性がある部分や、硬くてゴリゴリしている部分など、場所によって触った感じが違うハズ。

硬くてゴリゴリしている部分はつかむとちょっと痛いかも知れません。

筋硬結、いわゆる筋肉の凝りとかトリガーポイントとか言われる部分です。

この部分が、腰方形筋の機能不全の原因。

硬結部位を見つけたら、掴んでいる手の親指と中指でその硬結部位をガシッと挟んで、その状態のまま骨盤の上げ下げ運動をゆっくり数回繰り返しましょう。

数回繰り返しているうちに硬結部位が柔らかくなってくるので、柔らかくなったら別の硬結部位を探して同じようにほぐしていきます。

ある程度ほぐして硬いところが無くなったら今度は逆側の腰方形筋へ。

両側の腰方形筋の硬結部位をつぶし終わったら、一度起き上がって腰周りを動かしてみてください。

腰方形筋の機能不全で痛みや重だるさが出ていた場合、かなり楽になっているハズ。

おわりに

ということで、今回は腰方形筋のセルフケアについてお話させて頂きました。

腰方形筋の短縮にはストレッチ等も有効だとは思いますが・・・硬結部位がいくつも出来ていた場合、それらを解消しながら腰方形筋の伸縮を繰り返す、というのが一番効果があるんじゃないかなーと。

もちろん合う合わないがあるので、万人に効果があるという保証はありませんが。

正しくやれればかなりのケースで症状を緩和できると思います。

腰痛でお悩みの方は是非お試しください。

では。

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この記事を書いた人

松本市にある武内整形外科クリニックに勤務する理学療法士。
産まれも育ちも長野県で、地元が大好きな39歳。
臨床年数に胡坐をかくことなく、日々知識と技術のアップデートに邁進しています。
健康に関する情報やリハビリに関する情報、勤務する武内クリニックに関する情報などをブログで不定期に発信していきます。

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