ストレッチや柔軟体操の考え方

ども。

武内整形外科クリニックの理学療法士テラサワです。

なんだかジメジメした日が続いてますね。

気分もどんよりしがちですが元気出していきましょー。

さて、今回のテーマは

ストレッチと柔軟体操

について。

ひと昔前と比べると、考え方が結構変わっていたりするんです。

ということで良かったらお付き合いください。

目次

ストレッチや柔軟体操の考え方、昔と今

我々の学生時代、ストレッチをやる時はこう指導を受けていました。

『じっくりと時間をかけてやりましょう。』

ところが昨今のストレッチ事情はその頃とは少し違います。

むしろじっくりと行なうストレッチは、運動のパフォーマンスを落とすからNGと言われるようになりました。

軽く反動をつけながら勢いで伸ばすようなストレッチのやり方・・・昔であれば効果がないから意味がないとまで言われたりもしましたが、スポーツ前のウォーミングアップならむしろそういった方法の方が効果的ということが分かってきたんです。

医学の発展と共に通説であったことが全く逆であると言われることは珍しくありませんが・・・

ストレッチや柔軟体操もまさにそんな例のひとつですね。

ただ、もちろんゆっくりじっくりやるストレッチや柔軟体操が全て悪い、というワケではありません。

目的によってはしっかりと時間をかけて行なう方が良いケースもあるんです。

目的によってやり方を変えよう

単純に身体を柔らかくしたい、といった目的があるのであれば、

じっくりゆっくり伸ばすストレッチや柔軟体操

を行ってなんら問題はありません。

筋肉やその他の軟部組織は基本的に、時間をかけて伸ばせば伸ばすほど伸張性は向上します。

なので、そもそも筋肉の短縮で身体が硬くなっていたり動かしにくくなってる場合は、四の五の言わずしっかりと時間をかけてストレッチを行った方が良い結果に繋がることが多いんですよね。

対して、スポーツでパフォーマンスを上げたいと考えている方の場合は事情が少し変わってきます。

じっくり伸ばすストレッチや柔軟体操で筋肉をはじめとした軟部組織を伸ばし過ぎてしまうと、筋肉の出力は低下してしまうんです。

そうなってくると当然、スポーツで発揮できるパフォーマンス自体の低下にも繋がっていきます。

というように、ストレッチや柔軟体操は目的に合わせてやり方を変えるというのが効率よく身体をケアするコツになります。

アスリートと健康志向の人

前述した部分を少しだけ掘り下げて説明しようと思います。

まず、スポーツでパフォーマンスを上げたいと考えているヒトの場合・・・

必要となるのは

  • 瞬間的な筋収縮
  • 純粋な筋出力

このふたつが最優先。

いずれにせよ、いかに早く筋肉が力強く収縮してくれるかという部分を突き詰めていきたいわけです。

となると、時間をかけてじっくりと伸ばした軟部組織では、柔らかさは向上しても力強さは減退してしまうので・・・

ウォーミングアップでは軽く反動をつけながら軽く筋肉を収縮させ、関節をしっかり動かす

というイメージを持つことが最適解になります。

では、健康維持のために身体を柔らかくしたいと考えているヒトの場合はどうでしょう?

大前提として、柔軟性のみでいいというワケではなく必要最低限の筋力が備わっているという事が前提ではありますが、優先度としては柔軟性の確保という部分にフォーカスしてじっくりゆっくりなストレッチ・柔軟体操を行って良いんじゃないかと思います。

なんでかと言うと・・・

加齢とともに身体の水分量が減少し、筋肉をはじめとした軟部組織の伸張性が低下し、加えて各関節機能も衰え始めるのでとにかく柔軟性を確保することが重要になってくるから。

年をとると筋肉量が少なくなるからとにかく筋トレをしましょう

なんて言葉はよく聞きますが・・・正直、大抵の場合筋肉は気持ちさえあれば後からでもなんとかなります

でも、筋骨格系の構造的変化に伴う機能低下については一度進行してしまうとどうしようもないというケースも少なくないんです。

ということで、

適度な筋肉は保ちつつ筋肉やその他の軟部組織をじっくり伸ばしながら関節も大きく動かす

というのが、健康志向の人に持って頂きたいイメージになります。

ストレッチや柔軟体操をやる時知っておくべきポイント

では改めてサラッとポイントだけ。

抑えておいて欲しいのは上記の3点。

何度も言うように、しっかり伸ばせば軟部組織は伸びますが、その分筋肉の収縮力は弱まります

その部分は頭の片隅に置きつつ、状況に応じたストレッチや柔軟体操を行ないましょう。

あと、意外と知られていないのが

怪我の予防にじっくりとやるストレッチが効果的とは言えない

という点。

なんならスポーツ前にしっかり伸ばし過ぎると筋肉の反応性が落ちて逆に怪我のしやすさに繋がるとも言われています。

激しいスポーツの前には、反動をつけた軽めの関節運動に留めておくのが良いんじゃないかと思います。

で、結局のところなんですが・・・

ただ伸ばすという意識ではなく、意識的に筋肉を働かせながら関節をしっかり動かすという意識が一番大事

これはじっくりゆっくり伸ばすストレッチでも、反動をつけた軽めのストレッチでも同様です。

筋肉に意識をフォーカスするよりも関節運動に意識をフォーカスしたほうが『動き』という点で見ると協調的で効率的な動きに繋がります。

おわり☆

今回はストレッチや「柔軟体操に対する考え方についてでしたが・・・

じっくり伸ばすストレッチも、反動をつけて行なう軽めのストレッチも、ちゃんとメリットはあるんですよね。

うまく使い分けながら、フィジカルケアに役立てていただけたらと思います。

では今回はこの辺で。

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この記事を書いた人

松本市にある武内整形外科クリニックに勤務する理学療法士。
産まれも育ちも長野県で、地元が大好きな39歳。
臨床年数に胡坐をかくことなく、日々知識と技術のアップデートに邁進しています。
健康に関する情報やリハビリに関する情報、勤務する武内クリニックに関する情報などをブログで不定期に発信していきます。

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